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学習会・現労研の活動 : 非正規社員の均等待遇求め郵政産業労組が提訴
投稿者: rodo-info 投稿日時: 2014-8-22 23:19:45 (2955 ヒット)

非正規社員の均等待遇求め郵政産業労組が提訴





社会保険労務士 繁田哲夫


 郵政産業ユニオンは現在、手当にかんして非正規社員の待遇を正社員と均等に扱うよう求める裁判闘争をたたかっています。その内容について、郵政産業ユニオンの組合員であるもある社会保険労務士の繁田哲夫氏が、顧問先の天六ユニオンでおこなった講演で問題提起した内容を掲載します。






 天六ユニオンの組合員の皆さん。天六ユニオン顧問社労士の繁田です。今回は、私の所属する、郵政産業労働者ユニオンが、4月に東京地裁に提訴した、「労働契約法20条にもとづく、均等待遇を求める訴訟」について、問題提起します。


まず労働者が知っておかなければならない労働関係の法律

 釈迦に説法かもしれませんが、郵政ユニオンの訴訟問題の前に、労働者が最低限、経営者と渡り合うために、知っておかなければならない法律があります。

 最近の経営者は、全体的に労働組合が弱体化していることをいいことに、余り勉強していません。ブラック企業がはびこる大きな原因はここのあるのですが、逆に言えば労働者や組合が、理論武装すれば、勝てると言うことです。

 まず、はじめに労働基準法です。これは使用者が守るべき、最低限の労働条件を明記してあります。使用者の違反行為には、刑法が適用され、禁固や罰金、懲役もあり得ます。

 2番目に知っておく必要があるのは、労働安全衛生法です。どういう職場環境で労働者を働かせることができるのか?職場の安全・衛生管理体制はどうなのか?を明記しており、労働災害を未然に防ぐための法律です。

 3番目は、労働者災害補償保険法、労災保険法です。労働災害が発生したらどのような処置を執らなければならないか。具体的な手続きも含めて書かれています。

 次は雇用保険法です。労働者が失業したとき、育児休業に入るときなどの項目が書かれています。

 パートタイム労働法も大切です。いままでパートタイム、短時間労働者は、そうであるが故に、労働基準法を適用しなくてもいいと勝手解釈されていました。しかし短時間労働者も労働者の一員です。パートと言うだけで、正社員と差別されることは、「法の下の平等」に反すると言うことで、施行されました。

 そして今回、問題となっている「労働契約法」です。労働契約法はわずか22条の条文しかありません。しかしここに書かれていることは、労働者や労働組合、特に非正規雇用の労働者が闘う上で、大きな武器となります。


労働契約法20条の言いたいこと
 
 少し長くなりますが、労働契約法20条の条文を紹介します。

 第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)
有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

 つまり有期雇用契約の労働者が期間の定めのない労働契約をしている労働者(この場合一般的に正規雇用を言う)と同じ仕事をし、同じ責任を持っているのなら、不合理と認められる労働条件で働かせてはいけないと言うことです。

 同じ仕事をして正社員には付く手当が、有期雇用労働者には付かないのはいけないと言うことです。


日本郵便ではどうなっていたのか?●
 
 では日本郵便ではどうなっていたのでしょうか?
 現在、日本郵便の賃金体系は非常にややこしくなっており、外部の人が聞いてもわかりにくいところがありますが、今回の訴訟で焦点となっているので、取り上げます。

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 郵便配達の労働者が作業に従事した際に付く手当です。最高1090円〜最低570円(日額)です。この最高と最低というのは、現在、日本郵便では評価給が導入されているからです。
 この外務作業手当は、正社員のみに付きます。

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 どれだけ郵便物を配達できるか、どれだけ配達できる地域を覚えているかで付く手当です。最高16500円〜最低5100円(月額)です。これも正社員のみに付く手当です。
逆に言えば非正規雇用の労働者(時間給制社員)が正社員より仕事ができても、1円もつきません。

年末年始勤務手当
 郵便局は、年末がかき入れ時です。正社員が12月29日〜31日に出勤すると1日4000円。3が日に出勤すると1日5000円の手当が付きます。これも非正規雇用の労働者はなしです。

 その他、住居手当、季節休暇、病気休暇などは正社員にだけ付与され、非正規雇用には一切付与されないか、されても低額です。
 こういった格差をなんだかんだと計算すると、1年間でおよそ200万円の差が出ています。つまり日本郵便は、非正規雇用労働者に正社員と同じ仕事をさせながら、200万円の差額をふところにねじ込んでいると言うことです。


ぼろがでた、ずさんな労務管理
 
 本来ならこうした問題は、昨年4月に改正「労働契約法」施行されたときに、大幅な変更を企業がすべきでした。

 しかし日本郵便や私のいる日本郵便輸送などは、そういった作業を完全にさぼっていました。裁判をやられて敗訴しないと物事の道理が理解できないのが、この国で最大のブラック企業日本郵便なのです。

 ただ彼らは、「同じ職責」の問題では、「非正規には配置転換がない」と言い訳するでしょう。ここは論争の余地ありです。裁判で労働者側の弁護士の先生が、どのような論陣をはるか、興味のあるところです。


もう一つ大切なこと
 
 労働契約法のもう一つ大切なことは、有期雇用労働者の無期雇用転換の問題です。これは18条に書かれていますが、5年間雇用契約を更新してきた労働者が、6年目の契約を結んで以降、「無期雇用にしてくれ」と申し入れると、事業主はこれを拒めません。

 ただ相手も馬鹿ではないので、この法律の裏技、つまり5年間の契約期間中に6ヶ月以上の空白期間があればこの申し出を拒否できるようになっています。つまり3年目に入ってから6ヶ月「契約空白期間」を作ると言うことです。この取り決めは2013年4月から有効で、それ以前の契約期間はカウントされません。


画期的な訴訟に注目しましょう
 
 今回、郵政産業労働者ユニオンが始めた訴訟は、たぶん大企業では最初の、大型訴訟になる予定です。

 手前みそで恐縮ですが、関東で3名の方が提訴に踏み切り、西日本でも6名の方が提訴準備中です。合計9名が訴訟を起こすわけです。普通なら原告団に主任の弁護士の先生が1人、補佐の先生が2人ぐらい付くのですが、今回は原告1人に弁護士1人というマンツーマン体制です。

 しかも訴訟費用は、全て中央本部持ちです。東京や大阪の労働者の味方になってくれる弁護士の先生方は大変ですが、この訴訟が勝訴するようなことにでもなれば、今までの労働法の体系が大幅に変更になる可能性もあります。

 またみなさんが、職場で理不尽な待遇を受けている場合でも、契約法20条を活用して、非正規雇用労働者の待遇改善に向けて行動を起こすことができると思います。

 もう一度職場の実際を見つめ直し、すぐ訴訟とは行かないまでも、労働者の権利を拡大していくためにともにがんばっていきましょう。

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