メインメニュー
このサイトについて
話題のテーマ
出版物紹介
アクセスカウンタ
10231529

1208 :昨日
1191 :本日
会員専用ページ・ログイン
ユーザ名:

パスワード:


パスワード紛失

新規登録
職場からのたたかい : 不利益裁判で大阪地裁が不当判決を出す
投稿者: rodo-info 投稿日時: 2006-1-12 22:07:00 (4576 ヒット)

不利益裁判で大阪地裁が不当判決を出す

写真は05年1月12日の第14回公判時の集会

「労働通信」2005年11月号の記事より


 『労働通信』でたびたび掲載していた1つの裁判闘争が結審をむかえ、原告側敗訴となった。

100万円もの賃下げ強行


 あらためて簡単に背景を記すと、郵便輸送業務を生業とする日逓(日本郵便逓送株式会社)で2001年4月1日、長時間拘束業務のために2時間から3時間の超勤が服務にあらかじめ既定されていた勤務が超勤手当の削減を目的とするため、その日から休憩時間が細切れの3時間に拡大されて10時間勤務から11時間勤務となった。にもかかわらず実働8時間として超勤時間が切られ、そのために年間約100万円が減収となる賃下げ「合理化」がおこなわれたことに端を発する。

 全逓信労働組合(現JPU)は、2001年早早からこの問題に関連して職場オルグ、職場集会などをおこない、支部委員会を経て2月に全国支部長会議をひらいたが賛否両論の末、本部は実施する方向で決断して4月を迎えた。のちに全逓本部は、被告である日逓企業の「補助参加人」として原告の主張に真っ向から対立していくこととなる。

 そのため、31人の組合員が「会社は当期3月決算では大幅な利益を確保しており、賃下げをおこなう経営上の必要性はなかった。組合と締結した労働協約改訂は無効である」として、大阪地方裁判所に2002年6月17日に提訴したのである。原告は団をたちあげ、結束を重視し、原告の主張をみとめる組合員などが職場を中心に「裁判闘争をささえる会」などをつくって約3年間裁判闘争をたたかってきた。

原告の主張を認めながらも請求は棄却


 9月21日の第15回公判がその結審であった。裁判長が「原告の請求をいずれも棄却する」と主文を読みあげ、理由も告げず早早と退席した。その間わずか10秒であった。

 その判決文は次のとおりである。

 裁判所は、原告の主張を「経営上も、資産も日逓企業は優良事業所であり、本件の契機となった運賃30%値下げした他会社もともに株主が同じであって、賃下げの口実につかった疑いがある。補助参加の組合は、労働条件の大幅低下をめぐる決議は従来どおり最高議決機関の日逓部門全国代表者会議で論議するべきであり、採決をともなわない日逓全国支部長会議で決めたことは間違いである。したがって、条件変更を記載した新労働協約は無効である」と確認。

 被告会社の主張については、「当時、3年連続で郵政省から運賃が削減されるなかで、ある運送会社が突然、30%ひきさげた運賃をとどけでた、対抗のため経営の抜本的な改革が急務となったので、誠実に労使で協議して協力をもとめた。組合は、現場討議をおこなって決定したと聞いているので、労働協約を変更したことはなんら違法ではない」と確認。

 被告補助参加人の全逓の主張は、次のとおり「日逓の情勢は深刻なものだった。雇用確保を第1義としている組合は、会社の意向を決定した。2月22日にひらかれた日逓全国支部長会議では、賛否はあったものの本部案承認をもとめたところ10人が1致して承認された。そもそも組合規約に議決機関として全逓全国大会、全逓中央委員会があるがそれ以外はない。これまでの日逓全国代表者会議は、便宜上開催していただけで規約上の必要はないもの。2月15日の中央委員会でその決議を日逓全国支部長会議にゆだね、承認されたので新労働協約の締結は有効である」と確認。

 以下、裁判所の下した判断である。

 「原告1人あたり約100万円の減少は不利益に変更するものであり、本件改正による不利益の程度は大きいというほかない」と本訴訟の中核的神髄を認めている。そして「全国支部長会議の参加10人のうち全国代表者会議で議論すべしとする意見が4人あった」ことにふれ、「組合当初は、日逓全国代表者会議設置が確認されており、労働条件の不利益変更には事実上、全国代表者会議が開催され議決をおこなっていたことが認められ、本件改正にあたっては全国支部長会議よりも全国代表者会議の方が組合員の意思をより正確に反映させる方法であったと言える」と、これも原告主張を認めている。

 ところが裁判所は、自らの適正な判断をくつがえし、「しかし、不利益に変更するものであっても、この1事をもって規範的効力を否定できない」、「規約において労働協約の事項は、中央委員会議決で決定できるとされている」、また「本件改正にいたる経過で、30%運賃を低下させれば従業員1人あたり賃金390万円減となるところ、労使で10%の下げ幅に対応する収支改善施策を実施するため、補助参加人との交渉をおこない本件改正にいたったことが認められる。また、その後、1層の運賃ひきさげがなされており(本件とは関係ない)、改正の必要性・合理性がある」とし、「改正後の全国代表者会議でも結果的に本件改正が承認されている」、「以上によると本件改正(新労働協約)は有効であるから原告らの請求は理由がない」と結論づけた。

 なお、原告団は、全員の意思を確認して大阪高裁に控訴した。 

印刷用ページ このニュースを友達に送る
検索
テーマ別の記事(選択してください)
テーマ別の最新記事
[ HOME ] [ NEWS ] [ BBS ] [ DOWNLOAD ] [ LINK ] [ FAQ ]