書籍紹介「チャベス」

投稿日時 2007-3-12 0:00:00 | トピック: 社会主義について

 書籍紹介「チャベス」

  ――改革とは何か? ラテンアメリカで何が起こっているのか? を知る上で貴重――

             志賀文治



--------------------------------
★書籍紹介
 「チャベス」
 ラテンアメリカは世界を変える!
 
 ウーゴ・チャベス&
  アレイダ・ゲバラ
 伊高浩昭訳 作品社
 ISBN:4-86182-080-4
 2100円(税込) 2006年6月
--------------------------------

「労働通信」2006年9月号の記事より



 今、ラテンアメリカが注目を浴びている。
 ベネズエラの左翼勢力はラテンアメリカにその運動が波及しつつあることでより注目を浴びている。石油産油国世界第5位の「豊かな資源と貧しい人民」という発展途上国にある構図がベネズエラにもあったし、今も全てが解決されているわけではない。
 最近NHKはチャベス政権の明と暗を取り上げた。チャベスは石油の利益を人民に還元する政策をいち早く打ち出しているが、一方でキューバやイラク、イランとの結びつきを強化するためや、武器を輸入するために使われていて、貧困を解決する糸口は見えていないというのである。映像はその断片を映し出しわれわれに突きつける。
 本書は革命家チェ・ゲバラの娘がインタビューするというセンセーショナルな企画で構成されているが内容は史実をベネズエラの内側から見ている。
 ラテンアメリカの指導者として国際社会からも注目されているベネズエラ大統領チャベスが、その生い立ち、ゲリラ指導者との接触や思想の形成過程、キューバ最高指導者カストロとの盟友関係、死を覚悟した軍事クーデターの顛末などが明らかにされている。


全文を読むには下記の<続き・・・>をクリックしてご覧下さい。


 チャベスの革命的思想はシモン・ボリーバルが創設した統一南米解放軍の流れを汲むものだった。少年兵のころからボリーバルの栄光の継承者だと教えられていた解放軍がIMF(国際通貨基金)の支配に反対する同胞人民を殺戮するのに利用されていることを悟った彼は、3年後の1992年に反乱部隊として蜂起し制圧される。
 94年、釈放から1998年大統領選挙に勝利する間、チャベスに対するマスメディアの攻撃をどうやって克服していたのか知りたいところの詳しい記述がないのは少し残念な気がしている。政権の座へ向かうと街に繰り出し「これは平和革命なのだ」と何回も叫び続けながら、寡頭勢力や反革命勢力に対しては非武装革命と混同しないようにと警告していることも興味深い。
 政権就任後も古い制度、野党議会のなかでの国政運営ではこの国をしずめるために政権に就いたと自らに言い聞かせ、1999年には政権議会で与党は3分2を占める。しかし、これらは寄らば大樹の陰と集まってきた寡頭勢力の残党も多く含まれているぞと注意しながら革命の社会政策に着手していく。圧巻なのは貧者に力をと識字教育に6カ月で150万人が参加し百万人が習得したということだ。
 改革とはなにか、革命勢力とはなにか、今ラテンアメリカではなにが起こっているのかを知る上では貴重な資料ではないかと思う。米ソ二極構造崩壊後の世界に新しい勢力が生まれているのか、すぐに手に入りにくいのも難点だが、関心のある方ぜひご一読をお勧めしたい。






 

 『労働通信』は、現代の労働者が直面する問題や日本と世界の労働運動について隔月刊で編集、発行している雑誌です。

 編集委員は全員が職場ではたらき運動に参加している労働者です。また、全国の職場で奮闘している活動家のみなさんからの投稿にささえられて発行しています。

 購読料は、一部500円(送料込み)、年間で3,000円です。

 購読のお申し込みは「労働通信」ショッピングモールからどうぞ。
 











労働運動について考える『労働通信』のページにて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://www.rodo.info

このニュース記事が掲載されているURL:
http://www.rodo.info/article.php?storyid=126