職場の護身術(25)

投稿日時 2012-11-26 0:00:00 | トピック: 現代資本主義と労働問題

 職場の護身術(25)

  ――労働組合法を知ろう――




『ワーカーズ・レポート(労働通信)』2011年7月号の記事より


 前回までは、労働委員会の公益委員を忌避することができるところまで説明しました。
 今回は、労働委員会の決定に不服がある時の手続きの流れを追います。

最初は、地方労働委員会に申したてる

 労使間で紛争が起こり、不当労働行為が横行するようになれば、都道府県の地方労働委員会に審査を申し立てます。
 中央労働委員会は、独立行政法人職員や国有林野事業職員の調停や斡旋、仲裁や処分また二つ以上の都道府県や全国的な問題になった事件についての調停・仲裁・斡旋・処分を優先的に行うので、まずは、地方労働委員会へと言うことになります。
 順番で言えば、地方労働委員会での審査、中央労働委員会での再審査ということになります。
 ただしここからが問題です。使用者は、中央労働委員会の救済命令が出たからと言って、必ずこれに従う必要はありません。使用者は地方労働委員会で救済命令が出されても、中央労働委員会に再審査の申し立てをせず、また仮に中央労働委員会が救済の命令を出したとしても裁判に訴えてこの救済の命令を取り消してもらうことができるのです。
 これは労働者の側も同じで、救済しない命令が出た時には、裁判でこの命令の取り消しを訴えることができるのです。
 順番としてはいきなり裁判ではなく、地方・中央の労働委員会の決定後と言うことになります。





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宙ぶらりんは許さない

 ただし、使用者側が救済命令に不服で裁判に訴えた場合、労働者側は被害を被ることになります。また不当労働行為を継続させるために、救済命令に従わず、ずるずると裁判で引き延ばす使用者も出てくるかもしれません。
 そこで労働組合法では、救済命令を出した労働委員会の申し立てで、使用者に対して判決の確定にいたるまでの間に救済命令の全部又は一部に従う旨を命じることができるのです。
 つまり裁判を理由にした使用者のサボタージュを許さないと言うことです。
 ただし使用者から申し立てがあった時には、労働委員会の決定を取り消したり変更したりする可能性もあるので要注意です。




結構重たい罰則

 労働組合法による救済命令が確定し指示されてもこれに従わない場合には、結構重たい刑罰が科せられます。
 例えば第二八条〔確定判決により支持された救済命令等の違反〕
 救済命令等の全部又は一部が確定判決によつて支持された場合において、その違反があつたときは、その行為をした者は、一年以下の禁錮若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。(「模範六法 2011」)
とあります。つまり裁判までして救済命令が確定してもこれに従わないと、罰金刑と禁固刑に科すというかなりきついものです。
 また、委員会で偽証した場合にも、三カ月以上一〇年以下の懲役刑に、守秘義務に違反した労働委員や職員は一年以下の懲役か三〇万円以下の罰金、労働委員会の調査を妨害したり、うその報告をしたり資料の提出を故意に拒んだりすると、三〇万円以下の罰金といった具合です。
 これらの処罰は、個々の使用者はもちろん、法人にも適応されます。つまり会社にも責任が及ぶと言うことです。
 これらの処罰は労働者の側にも及びます。正当な理由がないのに出頭しない、陳述しない、審理を妨げた場合には、一〇万円〜三〇万円の過料となっています。ただし過料というのは刑事罰ではなく、秩序を維持するための罰則ですので刑事犯にはなりません。









 

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