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高ま る「グローバル化」反対の闘争
国際人民闘争連盟(ILPS)の結成を準備

『労働通信』2000年5月号

  資本主義の「グローバル化」が世界的な規模で貧富の格差を拡大するなかで、「グローバル化」に反対するたたかいが各地ではじまっている。

国際人民闘争連盟の結成へ

 1月14日、16日の両日、オランダのユトレヒトで、 国際人民闘争連盟(ILPS) の結成準備委員会が招集された。
 今回の委員会は、今年の12月16日、17日にドイツのデュースベルクで開催される国際人民闘争連盟の第1回国際大会を準備するために開催された。

*国際人民闘争連盟の結成大会の記事は本誌2001年7月号に掲載されています。

 国際人民闘争連盟の規約案によると、この組織は、つぎのような活動をとりくむための、幅ひろい国際的な組織である。

 第1回国際大会のテーマは、「21世紀における国際連帯への人民の要求」となる予定である。大会では、14のテーマによる分科会が開催される。そのうちの一つは、「労働者の権利および、大量失業と賃金のきりさげに反対する賃さげなしの労働時間短縮」である。

 こうした連盟を結成しようとする機運は、帝国主義による世界の人民への攻撃がつよまるなかでうまれた。1997年に、ドイツで開催されたウィットスン青年祭典に参加した代表のなかから、国際人民闘争連盟を結成することがよびかけられた。それいらい、さまざまな大衆組織や共闘組織がこうした連盟を結成することへの支持を表明してきた。

 今年5月にフィリピンの戦闘的労働組合センター、 KMU(五月一日運動) の主催で開催される 第17回ISA(国際連帯行動) も、「労働者への攻撃を許すな! IMF、世界銀行、WTOに反対しよう! 帝国主義の支配に反対しよう!」をテーマにかかげ、国際人民闘争連盟への支持をはじめ、帝国主義による「グローバル化」に反対する共同闘争を具体化する方針を決定しようとしている。

ワシントンで大衆行動

 4月16日、25カ国の蔵相と中央銀行総裁およびIMF、世界銀行などの代表がワシントンで会合をおこなった。

 これにあわせてワシントンでは、4月9日から16日にかけて、「経済的な正義のためにたたかおう! 抑圧的なグローバリゼーションに反対しよう!」をスローガンに、 アメリカ労働総同盟産別会議(AFL・CIO) や市民団体のよびかけで、大規模な抗議行動がとりくまれた。

 AFL・CIOは、IMFや世界銀行、多国籍企業によっておしつけられた累積債務によって発展途上国の労働者が貧困におとしいれられ、それがアメリカの労働者の雇用をもおびやかすものとなったとしてこの行動をよびかけた(別掲記事参照)。

 4月9日には、発展途上国の累積債務の帳消しを要求し、全米からあつまった約5000人もの労働組合員らが、ワシントンでの人間の鎖行動に参加した。

 4月12日には、中国への最恵国待遇反対を議会と政府に要求する集会が開催され、1万2000人の労働者が結集した。

 そして、4月16日には、IMF、世界銀行へむけて、アメリカ国内外から400以上の団体が参加して、さらに大規模な大衆行動がとりくまれた。警察当局は、翌17日の平和的デモにたいして約500人もの参加者を逮捕した。

四大自動車メーカーでスト

 韓国では、大宇自動車や三星自動車を外国資本に売却しようとする政府の策動に反対して4月9日、同国の四大自動車メーカーの労働組合がストライキにはいった。ストにはすくなくとも7万3000人の労働者が参加し、韓国中の自動車の製造を完全にストップさせた。

 このストライキには、売却の対象となっている大宇や三星の労働組合だけでなく、現代自動車と起亜自動車の労組も連帯ストにはいり、30の市民団体も行動をともにした。

 四大自動車メーカーの労働組合は政府にたいして、大宇の経営危機問題の民主的な解決をはかり、韓国経済と労働者の生活をまもるために大宇自動車を公営企業に転換するための公的な対策委員会を設置することを要求している。

グローバル化への対応をせまられる国際自由労連

 国際自由労連(ICFTU)も4月3日〜6日、「グローバル経済の民主化――21世紀における労働組合と社会正義」をスローガンに南アフリカのダーバンで第17回世界大会をひらいた。

 国際自由労連は、「冷戦」下では反共を旗印に国際労働運動を推進してきた。だが、米ソ二極構造が崩壊したあと、「グローバル化」や情報化が急速にすすみ、世界的な規模で貧富の格差や失業問題が深刻になるなかで、あたらしいミレニアム(千年紀)のはじまりにあたって国際労働運動の優先課題、戦略などを全面的にみなおす「ミレニアム・レビュー」の討議を開始することを決定した。

 国際自由労連のビル・ジョーダン書記長は、「グローバル化の影響で何百万という労働者が失業した。ごう慢な多国籍企業にストップをかけなければならない」と主張した。

 世界の貿易の全面的な自由化をすすめるWTO(世界貿易機関)についても、国際自由労連は、@WTO交渉の議題のなかに、結社の自由や児童労働の禁止などの「中核的労働基準」をもりこむ、AWTOとILO(国際労働機関)との協力関係をつよめ、両組織による常設機関を設置して貿易と「中核的労働基準」にかんする論議をおこなうことを要求している。

 だが、こうした方針には、途上国の劣悪な労働条件問題をダンピング問題とからめて制裁の対象としようとするアメリカ政府の意向が反映している。そのため、途上国の労働組合からは「WTOが上からおしつけるものは絶対拒否する」(ドミニカ労働組合全国センター)という反発の意見もだされている。

グローバル化反対の共同行動を決議した世界労連

 第三世界諸国や旧ソ連、東欧圏の労働組合などで組織する世界労働組合連盟(WFTU)は3月25日〜28日、インドのニューデリーで第14回世界労働組合大会を開催し、「グローバル化」のもとでの貧富の格差の拡大や失業の増大に反対し、労働組合の国際的共同行動をつよめることを決定した。

 大会で開会あいさつにたったジャリコフ書記長は、アメリカ主導の経済覇権主義のもとで、多国籍企業とIMF、世界銀行がすすめる経済の「グローバル化」が各国間と各国内での貧富の格差をますますひろげ、先進国でも途上国でも失業と不安定雇用を増大させ、労働者の生活と権利をおびやかしていると指摘した。そして、各国の労働者の危機的状況にたいして、労働組合が対案をみいだし、統一と共同行動をつよめることが課題であると強調した。

 世界労連はソ連・東欧諸国の崩壊後、その機能をいちじるしく低下させてきたが、「グローバル化」に反対するたたかいのなかで指導的な役割を発揮できるかが注目される。

 

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