『労働通信』2000年7月号
4月28日から5月8日まで、フィリピンの戦闘的労働組合センター、
今年の第17回ISAのテーマは、「労働者への攻撃を許すな! IMF、世界銀行、WTOに反対しよう! 帝国主義の支配に反対しよう!」であった。海外からは、ニュージーランド、オーストラリア、バングラデシュ、インド、パキスタン、韓国、台湾、ベルギー、ドイツ、アメリカ、日本など11カ国の労働組合や労働関係NGO(非政府組織)、政党などが参加した。
今年のISAの国際会議では、シアトルでのWTO首脳会議やワシントンでのIMF首脳会議に反対する大衆的な抗議行動につづけ、という雰囲気がつよかったことが特徴である。
この間、グローバル化や規制緩和により階級矛盾がふかまってきてはいたが、労働者、人民の側の反撃は散発的になっていた。しかし、シアトルやワシントンのたたかいでは、労働者の闘争を中心に、環境問題や第三世界の問題、女性問題など、さまざまなテーマをとりくんでいる勢力がグローバル化に反対するという点で合流した。ICFTU(国際自由労連)も四月に開催した大会で、グローバル化反対をうちだすにいたっている。
台湾では、80年代後半の戒厳令撤廃以降、あらたな「自主労働運動」(国民党の支配や資本の支配から自立しているという意味)が台頭してきたが、今年のメーデーを期して、国民党支配下の総工会(ナショナルセンター)から独立した全国産業総工会を発足させている。「規制緩和先進国」といわれてきたニュージーランドでも、国民の反発により労働党政権が発足して以降、民営化、規制緩和の攻撃にブレーキがかかっていることが報告されていた。
フィリピンにおいても大衆運動の上昇局面が継続している。とくに最近の特徴は、KMUやバヤンなどの民族民主勢力が、中間層とも連携した運動をつよめていることである。昨年のVFA(一時駐留軍協定)に反対する運動からはじまって、今年はエストラーダ政権の憲法改悪策動に反対して、教会系の組織や旧ラモス派など支配階級の一部までふくめた運動がひろがっている。
海外の参加者のなかでは、「シアトル、ワシントンにつづいて、つぎはオキナワだ」と、7月の沖縄サミットにあたって日本の労働者がグローバル化に反対するたたかいをどうとりくむのかという関心が高いことも大きな特徴であった。
ISAでは、こうしたたたかいをさらに発展させるため、各国でIMF、世界銀行、WTOなどを暴露する教育活動を労働組合や一般市民のなかでとりくむとともに、具体的な賃金、雇用、民主的権利のためのたたかいや第三世界諸国の債務帳消しのたたかいなどを発展させ、IMF、世界銀行、WTOに反対するキャンペーンをとりくむことをうたった「宣言」と「アクション・プラン」を採択した(別掲)。
またISAでは、今年12月にドイツで結成大会をひらく
第17回ISAアクションプラン(要旨) |
「労働者への攻撃を許すな! IMF、世界銀行、WTOに反対しよう! 帝国主義の支配に反対しよう!」という、われわれテーマにそって、以下の点を提案する。
- IMF(国際通貨基金)、世界銀行、WTO(世界貿易機関)が帝国主義的「グローバリゼーション」を推進するうえではたしている役割と、これと有効にたたかう手段について、労働組合のなかや一般市民のなかで大衆的な教育・宣伝活動をおこなう。
- 労働力柔軟化政策(パートや派遣労働者の拡大)について労働者教育をおこなう。
- 労働者の権利や、帝国主義、IMF、世界銀行、WTOなどについての標準的な教材を整備する。
- 女性労働者にたいする労働組合運動や政治問題への教育活動によりおおくの注意をはらう。とくに労働力柔軟化政策が女性労働者にあたえる影響について重視する。
- IT(情報技術)を活用して労働組合同士の情報交換をつよめる。
- IMF、世界銀行、WTOに反対するキャンペーンをつよめる
- 賃金、雇用、労働者の民主的権利を改善するためのたたかいを国内的にも国際的にもつよめる。
- 対外債務の問題や、帝国主義の金融支配に反対する共同のキャンペーンを組織する。その一環として、第三世界諸国の債務の帳消しを政府に要求するたたかいを組織する。
- 民族経済を再建し、安定した雇用と社会的な平等を保障する発展モデルのためのキャンペーンをおこなう。民営化、規制緩和、経済的自由化に反対するキャンペーンをおこなう。
- 強力な反帝国主義の労働戦線を建設することによって、労働組合の国際連帯をひろげ、高める。
- つぎのたたかいを支援する。
- 韓国の民主労総傘下の自動車産業労働者のたたかい
- インド全土で5月11日にたたかわれるIMF、世界銀行、WTOに反対するゼネストと人民の抗議行動
- ネスレ労働者のたたかいと、労働組合弾圧への抗議
- マニラ・ホテルにたいするボイコットの国際キャンペーンのイニシアチブをとる。
- 国際人民闘争連盟(ILPS)の結成を支持し、積極的に参加する。2000年12月16日〜17日にドイツのデュースベルクで開催されるILPSの第一回国際大会の労働組合分科会の準備を支援し、参加する。
- 日本の沖縄で開催されるG8サミットにたいする抗議行動を支援する。
- アメリカ・エストラーダ政権による教育、医療などの社会サービスの予算カット攻撃や世界各の同様の攻撃に反対するキャンペーンをとりくむ。
- IMF、世界銀行、WTOの政策がはたらく女性、児童労働、少数民族などにあたえる影響に焦点をあててキャンペーンをとりくむ。
- 労働者の結社の自由や団体交渉の権利などについてのILO(国際労働機関)条約を政府が実行するように圧力をかける。
- 単組、支部・分会段階で、積極的で体系的な組織化と組織拡大に着手する。この段階で、さらにおおくの専従活動家を養成する。
- 臨時労働者、契約労働者などを労働者階級の一部として組織する。
- 移民労働者を精力的に組織する。