| 国労 |
『労働通信』2000年9月号
国労は、国鉄「分割・民営化」の過程で解雇された1047人の解雇撤回をもとめて、国労闘争団(解雇された労働者の組織)を中心にたたかってきたが、本部執行部はこの間、与党三党と社民党との
これにたいして、13年にわたってたたかってきた国労闘争団員をはじめ、おおくの国労組合員や支援者からの抗議の声があがり、7月1日に「四党合意」受け入れをめぐってひらかれた臨時大会は紛糾して休会となった。
8月26日の続開大会では、執行部は「四党合意」受け入れの方針を採決することを断念し、@受け入れの賛否を問う全組合員の投票を九月に実施する、A一連の混乱の責任をとり執行部は10月の定期大会で総辞職する――との提案をおこなった。提案は拍手で承認され、わずか10分で大会は閉会した。
今後、全組合員投票が大きな焦点となろうとしている。もし、国労が「四党合意」を受け入れるならば、日本の労働組合運動全体、リストラや首切り、権利侵害にくるしむ全産業の労働者にも悪影響をおよぼさざるをえない。
国労問題を考えるための材料として、8月21日に京都市内でひらかれた「国鉄闘争の勝利をめざす集会」で発言した国労北海道音威子府(おといねっぷ)闘争団の鈴木団長の報告と、国労組合員のコメントを紹介したい。
国労音威子府闘争団 鈴木 孝
音威子府は人口1240人の村に闘争団員が48人、家族をふくめ167人
(問い合わせ先 電話01656―5―3243)。
7月1日臨時全国大会の採決阻止行動はやむにやまれずのおこないであった。
90年4月1日の二度目の解雇を思いだす。あのとき、国鉄清算事業団にまわされていたが「今日は環境整備です」の点呼ひとつのみでおしまいだったので、なかまが「一カ月前の解雇通告とは一体なんなんだ」と管理者につめより、私たちも不当なやりかたに「クビを切るな」と精一杯抗議したが、当局は「勤務時間は終わった」と捨てぜりふをはいてでていった。4月1日、職場に出勤したが管理者はひとりもこなかった。あのくやしさは忘れない。今回も同じような感じをおぼえたが、相手が国労中央執行部というところに無性に腹のたつ思いである。
5月30日に突然の新聞報道があった。「政党間合意」による解決をすすめていくという本部の見解である。6月10日以降、全国各ブロックごとに三役がはいってオルグがあったがあくまでも「政党間合意」がメインだという。闘争団は勝手なやりかたに抗議や意見書を提出したがそれを無視して臨時大会にむかって本部は突き進んだ。
7月1日、全国から闘争団の組合員と家族が会場前へ結集し、機動隊員をおしのけ代議員への説得にあたった。みんなは臨時大会での採決をしないようにと必死でうったえた。その結果、傍聴にわたしたちが参加できるようになったが、臨時大会は議事運営や議長団のありかたが釈然とせず、最後には「政党間合意」の承認を代議員の拍手で決めるといったデタラメさであって、とうとうがまんできずに宮坂書記長にむかって皆が壇上にあがった。
今大会はいったん「休会」となったがなにも本部の考えがかわったわけではない。本部は休会の原因を闘争団の暴力行為であるといっている。そして「つぎの続開大会の失敗はゆるされない。いっさいの方針に変更はない」といいきっている。
社民党もまた、「合意は国労の要請であり、国労の問題である」として一○年前と一八○度ことなる態度で期待を裏切った。
私たち1047人は平均1ヵ月17万円、年間200万円で生活してきた。くるしくてもいつかは「解雇撤回・JR復帰」をかちとるという気持ちを持っていた。それは国労の指導によって10年におよぶ闘争がくめたからと確信している。その中枢部分がくずれるということは、国鉄闘争そのものの瓦解の危機となる。差別採用・不当労働行為をゆるさず、勝利をめざして労働委員会に提訴し、救済命令やILO勧告をかちとったのは、国労の問題だけでなく日本の労働運動の再構築にむすびつくからである。それをなぜなげすてるのか。
98年5月に労働委員会の救済命令をとりけす不当判決がだされ、8月の国労定期大会では改革法の受け入れなどをかかげた「補強五項目」が提案された。99年3月、改革法を承認することになったが、今度はJRの法的責任はなかったことを確認しろと自民党はもとめてきたわけである。一つ団結をゆるめれば敵は二歩も三歩も踏みこんでくるものであると身をもって感じた。
7月1日以降、JR連合は1047人の早期解決をもとめ、国労との組織統一をめざしている。したがって国労本部はわたしたち闘争団の「切り捨て」をねらっている。本部はこういっている。「反対するならたたかいの道筋を明確にすべし。ただ単に反対するだけなら無責任である」と。
わたしたちはILO最終勧告を受ければ、それを実行すべく政府・JR各社に訴えていく。場合によっては国会でのILO勧告を審議するようもとめていく。
いま思うのは全国オルグでおおくの人とであい、労働者の連帯を感じたことだ。これまでたたかいつづけたことは大きな自信となった。なんとしても国鉄の犯罪をあばき、復帰をかちとる決意である。
国労組合員
国労本部が考えていることは、闘争団を切って連合へ加盟することだ。国労は階級的なスローガンをかかげているが、実際に運動をやっているのは闘争団が中心であり、JRのなかではほとんど運動がない。
JRの法的責任を問わないということは、かれらが犯した不当労働行為をなかったことにして、「完全犯罪」を認めるということである。
国鉄「分割・民営化」の過程ではさまざまな不当労働行為がおこなわれた。「完全犯罪」を認めれば、今後も会社がおなじことをやってもなにもいえないことになる。
現にJR西日本の職場でも賃金制度の改悪がおこなわれている。これにより50歳代は100円か200円の賃上げにしかならないが、その一方で、30歳代のエリートコースの人間は一気に10万円ちかく賃金があがった。職場では、労働者が仕事のやりかたについて管理職にすこし進言しただけで、「上司に反抗した」とみなされてボーナスを5万円もカットされたり、あちこちに配転させられたりしている。
国労が「四党合意」を正式にうけいれるならば、それは国労闘争団だけの問題ではない。JR職場にいる全労働者、そして他産業の労働者にも影響をおよぼすだろう。日本の労働組合全体の問題だと思う。
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