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 集 労働組合の存在意義が問われた夏の労組大会


全逓

郵政事業の公社化を前にいっそうの「合理化」への協力求める

全逓大会傍聴者・伊藤 忠

『労働通信』2000年9月号

 さる7月12日から14日まで、広島国際会議場で郵便の職場を中心とした労働組合である全逓の第54回定期大会がおこなわれた。

 全国から代議員が386人、大会傍聴者約600人、地元大会関係者約500人が一同にあつまって3日間の論議がなされたが、あいかわらず大盤ぶるまいで金をつかい放題(予算1億4000万円)の大会であった。3日のあいだに部分的に地域ごとの交流がうまれていたが、夜は適当に酒がはいり、おおいに「もりあがった」ようである。

「抵抗型運動の清算」?

 2000年度運動方針案はつぎのように書いている。

 まずはじめに、「いまの政治・経済・社会のあらゆるシステムの構造的な変化は21世紀にも継続する」との情勢認識をしめしたうえで、「われわれはいちはやく九五年に社会・事業・労働運動において変革に対応してきた」とのべ、これまでの運動方針の正当性を主張している。

 そして今回、全力をあげてとりくむ課題は「国営の新たな公社」にむけて、この一年間は法制面・財政面での検討をおこない、政策提言をはかっていくことだとして、「とくにだいじなことはあらたな労使関係の構築であり、過去の対立・抵抗型の運動を清算し、労使とも経験したことのないあらたな事業体にたいして根本的にみなおし、表裏一体の『あるべき労使関係』をきずいていく」ことをうったえていた。

 これらの議案にたいして本部はどう納得できる説明をするのか。また、代議員は議案にてらして職場の現状をどう分析してきて、どんな発言をおこなうのか――わたしなりにおおきな期待を感じながら傍聴者として大会に参加した。

 一日め、高頭中央本部執行委員長(今回で退任)のあいさつは、「三年ぶりに増収となったが、郵政公社化にむけて、これまでの赤字体質から脱却できていない。同業種・異業種ふくめての競争力をつよめる。雇用はまもられてあたりまえでなく、働きつづけられる能力の修得がもとめられている」とのべ、個個人の事業にたいする向上心をよりつよくもとめる発言であった。

職場の現状を訴える代議員

 3日間の討議をつうじて、各地の代議員は職場の深刻な現状を訴えた。おもなものをまとめてみると、つぎのようなものであった。

 「ここ数年、職場でひんぱんに強行されている人事交流(配転)は団結・組合つぶしであり、本部のいうように人材育成になっていない」

 「営業を奨励するあまり、個人別期待値(個人目標)で『できる人』と『できない人』が日日選別されている。また、地域区分局の非常勤活用は限界にきている。仕事のマニュアルがちがい、本務者(正規職員)とトラブルがつづいている。これらについての議案は職場実態を反映していない。配転で業務に支障をきたしていても当局は平気の顔だ」

 「本務者の減員により、深夜勤務の回数がおおくなった。要求解決機能がある組合をめざしてくれ。小局・特定局の労働条件改善がはかられる方針を断固もとめる」

 「郵便輸送部門の運賃が14年間もすえおきされている。そのうえさらに契約料のひきさげがおこなわれた。現行では契約期間の四年分しか雇用と労働条件はない。郵便は輸送なり。われわれはそれをささえにしてきた。理解してほしい」

 発言者は各地本の役員に原稿の検閲を受け、修正を余儀なくされて発言している。「修正なしで発言したらもっとインパクトはつよかったろうに」とある代議員はいっていた。

 しかし、そのような検閲をうけた発言であっても、その過半数は本部方針への「補強」をもとめるものであり、「本部方針にあやまりなし」と全面支持を表明したのは大阪の代議員だけであった。とりわけ雇用と労働条件をめぐって全逓運動そのものの総括をもとめ、二一世紀を展望した全逓の再生をねがう発言がつよかった。

大会論議を職場に還流へ

 しかし、これらの発言をうけての「本部見解」は、「本部は現場の把握をせよという代議員発言がおおかったと認識した」といいつつ、「しかし、中央省庁等改革基本法33条には、郵政職員として『ふさわしい』と評価され、事業の発展をのぞむ者のみ公社に採用されるとある」とのべ、かつての国鉄からJRへの移行時におこなわれたような選別雇用がおこなわれるというおどしをちらつかせ、「合理化」への協力を組合員にもとめる姿勢であった。

 こうしたことから方針案は賛成多数となった。労働現場(資本と労働の矛盾発生場所)にたたず、公社設計やニューユニオンにのみ重点をおいた本部や各地本幹部の考えはおおくの組合員が望んでいる運動方針とそうとうズレている。現場には解決しがたい政治的、経済的な諸問題があらわれているという各代議員発言は深刻である。

 代議員、傍聴者をふくむわれわれ大会参加者は、ただたんに今大会のみの発言にせず、現場にもちかえり、本部のいう公社一辺倒の呪縛をといて、権利を行使し、労働条件の改善を当局につよくもとめていける労働運動を全国統一して構築すべきと考える。

 

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