『労働通信』2000年11月号
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郵便輸送を一手にひきうける日本郵便逓送(日逓)の職場も非常勤雇用の労働者がふえ、正社員なみの仕事をしている。だが、かれらは、正社員にくらべて劣悪な賃金、労働条件、無権利状態をおしつけられ、不安定な地位におかれている。
比較的はやい時期から期間社員(日逓の非常勤雇用労働者の名称)を組織してきた岡山の全国一般岡山地本NOA労組の荒木さんに組合結成からいままでの職場状況をうかがった。 |
――労働組合を結成して何年になりますか?
荒木 今年で結成4周年です。当初、期間社員が16人いましたが、そのうち13人を組織しました。
日逓という企業はひじょうにおかしな企業です。人心も把握できていないのに、命令だけが先行します。臨時者同士の確執をあおったりもします。また正社員(すべてではないが)の特権意識も大きいです。会社は「期間社員」というだけで、露骨に差別をしてきます。
――労働組合を結成したきっかけはなんですか?
荒木 期間社員の公休がまったくさだめられておらず、自分や家族の予定をたてることもできませんでした。仕事を終えて帰るときに、突然「明日、休み」などといわれる。大阪への臨時便にしても、早朝の5時に家に電話がかかってきて、「今日臨時便があるから、すぐに出勤してくれ」のひとことで出勤させられる。労働時間も出勤時間もまったくいいかげんでした。仕事上で不合理なことがおおすぎるので、支店長や広島にある中国統轄支店、全逓の支部にも相談したがまったく返答がありませんでした。
ある全逓の支部の役員や心ある日逓岡山支店の正社員に相談して、労働組合を結成したのです。もちろん内密につくりました。
――組合結成に参加した労働者の気持ちは?
荒木 日逓の期間社員は新聞で募集をしますが、その条件がみんなちがいます。最初は「労働組合をつくったらやめさせられるのでは」と不安はありました。それにみんな労働組合活動の経験もありませんでした。
それまではいろいろ不満はあっても組織がないのでうやむやにされてきました。しかし労働組合ができたので、会社と対等に話ができます。仕事が減ったので会社側は「1カ月のうち16日休め」などといってきたこともありましたが、労働組合があるのでこのようなことをやめさせることができました。
――これから職場でどのような運動をつくっていきますか?
荒木 全逓の中国地本は、8人の日逓の期間社員を組織化したそうですが「互助会組織」の域をでるものではありません。岡山中央局も正規の職員が500人でゆうメイトは490人です。日逓の正社員は今年の前半期で230人も退職しており、正社員は今年中に4000人をきるかも知れません。妨害も受けてきましたが、期間社員の組織化が急務です。
それに日逓はふたこと目には「会社は苦しい」といいますが、それではなにがどう苦しいのかとたずねると答えません。退職引当金が160億円あまりあり正社員が800人ほど退職してもこたえません。つけくわえて新規のコンピューターソフトを9億円あまりで開発している。どこが苦しいのか、なぜ期間社員の賃金が低くおさえられているのか、はっきりさせないといけません。いろいろな方面から資料をとりそろえて、自分たちの要求や企業との交渉の根拠づくりも必要ですし、すでに資料の分析もはじめています。
郵政にしても「赤字」「赤字」とさわいでいますが、そのようになる構造です。ユーパックの会(郵政官僚の天下り先)は黒字でも、郵便小包事業は赤字になっています。
信書は郵便の独占です。しかし企業などの大口ユーザーむけの特別割引郵便は40%もわりびく。なぜ独占事業なのにわりびくのか理解できません。
岡山にはベネッセコーポレーションという大企業があります。この企業は岡山中央局のお得意さんです。会社の作業場のなかには郵便局があり、局員が五人、ゆうメイトが10人います。しかも郵便局がベネッセに1カ月100万円ちかくの賃貸料を支払っているのです。これでは赤字も当然。「赤字」宣伝の正体をつかみ、「おかしいことはおかしい」と訴えていくことがたいせつです。
――ありがとうございました。