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族差別・女性蔑視を謝罪し、組合員の未払い賃金を支払え!――日本IBM野洲工場を糾弾

 

『労働通信』2001年1月号

【滋賀地域ユニオン発】

 コンピュータ業界屈指の日本IBMの滋賀県野洲工場でとんでもないことがおこった。昨年八月から九月にかけて、在日の臨時労働者Cさんにたいし、職場上司の課長が「韓国の女は安いが、くさい」と暴言をはき、それを聞いていた職場の同僚が黙認しただけでなく、Cさんにたいして「クビにしろ」「半殺しにしてやる」「朝鮮学校はアホや」など、民族差別、女性蔑視、人権侵害、退職強要、殺人をほのめかす言動の事実が判明した。

 Cさんにたいしてのいやがらせは八月なかごろから顕著になっていった。差別発言はIBMの社員だけでなく、関連子会社や派遣会社の社員にまでおよんだ。職場上司の課長にいたっては「野球の試合で韓国にいったとき、女を買ったらくさくてたまらんかった。野球を五試合やって、女と三試合やって、わしの友達はくさいくさいといいながらやっとったわ」といいながら休憩室でさわいでいた。

 また、子会社の社員は「あいつ(Cさん)朝鮮学校やて。朝鮮学校いうたら各種学校やから高校じゃないんや。だからあいつはあほなんや」といいたい放題であった。

 Cさんは、たいへん危険な状況を感じ、休職を余儀なくされた。

 滋賀地域ユニオンは、犯罪的ともいえる企業内の人権侵害にたいし、その事実を認め、Cさんへの謝罪と賃金・休業補償および復職をふくめこんごの対応の内容などをもとめIBMの会社側と団体交渉を一○月から一二月まで数回おこなった。しかし、対応した人事部長は、職場の上司の発言はあったとみとめたものの、身の危険を感じて休職せざるをえなかったCさんにたいして「働いていないのだから当然だ」として九月一八日以降の賃金の支払いを拒否した。さらに、部長みずからが社内の「人権研修」を担当してきた責任があるにもかかわらず、「人権問題は労使関係になじまない」「Cさんが休職するにいたるような差別的言動等の事実はなかった」などといい、会社ぐるみで問題を隠蔽(いんぺい)しようと画策し、一片の謝罪もおこなわない態度にでている。

 この人事部長はユニオンとの交渉のなかで、「社内における人権研修は、差別―被差別のどちらの立場にもたたない中立的な立場でおこなってきた」と回答しているが、部落民、障害者、在日朝鮮・韓国人、女性など差別され、虐げられ、迫害されてきた人人の立場にたたないかぎりその苦しみや痛みはわかるはずがないし、当然、差別発言がなされていても、差別だとみぬくことなどできない。しかも、おどろくことにIBM野洲事業所は「部落差別をはじめとするあらゆる差別に反対することを企業活動の中心にすえる」ことをかかげた「滋賀同和問題企業連絡会」の幹事企業なのである。

 Cさんが職場の上司の発言にたいして勇気をだして「差別発言だ」と糾弾しなければ、この発言や黙認(同調)も表面にあらわれなかったのであり、Cさんの問題提起とたたかいが、IBM野洲工場の病巣をえぐりとる一助になるはずである。Cさん自身はユニオンとともに交渉に参加し、事実関係の有無をはっきりさせて会社を追求している。

 また、「差別企業・IBMをゆるさない! Cさんと共に闘う会準備会」を有志によって発足させ、広範な支援をもとめている。Cさん自身も決意をあらたにしている。
(問い合わせは滋賀地域ユニオン TEL:077-543-9488)

 しかし、殺人をほのめかすような言動、差別を差別として意識できない職場環境や雰囲気のなかで、働きたくても休業せざるをえなかったCさんにたいし、「ノー・ワーク、ノー・ペイ」だとして賃金を支払わない冷徹な態度はゆるしがたい。

 会社側は労働者が働きやすい職場環境をつくる義務がある。しかるに日本IBMは業績重視、結果のみ評価するアメリカ型賃金体系をおこない、おおくの労働者の不満をうみだす「職場環境」をかもしだしている。したがって、その怒りのほこさきをそらす目的に、特定の人をみなでさげすみ、日頃のウップンをその人達になげつけてうさを晴らすことを黙認し、また、会社みずから先導しているのである。IBMと関連会社にはたらく労働者はこの問題の本質に気づき、根本的な問題をかんがえてただしい運動へ軌道修正しなければならない。Cさんへの差別をあばき、IBM事業所を糾弾することがその近道である。

編集部より

日本IBMでの差別事件はその後、Cさんと会社側とのあいだで和解が成立しました。

 

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