| 参 考資料 |
呉 健 (月刊『現代思潮』)
「大きな時代規定」の核心は、ふるい社会形態があたらしい社会形態へ移行すること、すなわち資本主義がしだいに全世界で社会主義へ移行するということである。移行の時代の社会的基礎は、地球上の二つの制度の存在であり、すなわち世界は資本主義制度と社会主義制度という二大社会体系があるということである。
時代発展の根本的原動力は、人類社会における矛盾運動であり、それは「三大系列の矛盾」によって構成されている。
第一は、世界資本主義体系の矛盾――資本主義国におけるブルジョアジーとプロレタリアートの矛盾、帝国主義列強と植民地従属国の矛盾、帝国主義間の矛盾である。これは、一九一七年のロシア十月革命が勝利する前に、レーニンが『帝国主義論』のなかで帝国主義の三大矛盾を分析し、あばいたものである。
第二は、十月革命の勝利によって世界に「二制度」が出現し、資本主義と社会主義という二つの社会制度、二つのイデオロギー形態と二種類の国家のあいだの矛盾が生まれたことである。
以上の二つをふくめて、世界の四大矛盾とよばれるようになった。
第三は、新生の社会主義体系の矛盾である。それは、数十年の経験と教訓をつうじてしだいに明確にされたものである。社会主義の生産関係(すなわち経済的基礎)と上部構造のある部門が、生産力のいきいきとした発展をはばむときに、これらの部門の改革が要求される。すなわち社会主義の自己完備というものである。このときの党の指導と路線がただしいかいなかは、改革と自己完備の成功と失敗を決する。
世界に帝国主義すなわち独占資本主義が存在し、しかも「一球二制度」構造のなかで主要な地位を占めているという条件のもとで、時代における矛盾運動は、激化と緩和という二つの基本形態をもち、移行の形態は、飛躍と漸次的前進という二つの基本的形式をもつものである。移行する時代の全体は、「激化――緩和――激化」の矛盾運動のなかで、「激動――安定――激動」の世界の態勢および、「飛躍――漸進――飛躍」の発展法則のなかで発展していくのである。全世界で資本主義から社会主義への移行を実現するには、長期性、曲折性、段階性が存在している。
すこしのうたがいもなく、以上三つのカギカッコのついた「方程式」は、高度な概括であり、時間、場所、条件、内容、形態、度合いなどは、すべて捨象されている。強調したいのは「激化」、「激動」、「飛躍」が絶対的で、「緩和」、「安定」、「漸進」が相対的であるということである。緩和、安定、漸進がどのようなながい期間をへようと、激化、激動、飛躍という展望がかならず到来するということであり、これこそ「大きな時代」における発展の全体のすう勢である。
社会主義国は、生産力を大きく発展させることを基礎に、社会主義制度の優越性をいかんなく発揮し、第三系列の矛盾をただしく処理することと第一、二系列の矛盾に上手に対処することによって、移行時代における前進の歩みをおしすすめるにちがいない。このような矛盾論を基礎としてうち立てた時代規定は、前にのべた第一の時代規定とは根本的に異なっている 。(次へすすむ)