フィリピン共産党機関誌『アン・バヤン』2001年1月号
『労働通信』2001年3月号
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フィリピンでは、今年一月にいわゆる「第二のピープルズ・パワー」によってエストラーダ政権が打倒され、グローリア・マクパガル・アロヨ前副大統領が新大統領に就任した。新大統領が、貧困問題などフィリピン社会のかかえる基本的な問題を解決できるのかどうか、世界の注目があつまっている。
このようななかで、「第二のピープルズ・パワー」をはじめ、フィリピンの労働運動や人民運動に大きな影響力をもっているフィリピン共産党が、アロヨ新政権をどのように評価し、こんごどのような方向をとろうとしているかを知るための参考資料として、同党の機関紙『アン・バヤン』二〇〇一年一月号に掲載された論文(原題は「アメリカ‐エストラーダ政権を打倒したたたかいの成果を収穫しよう」)を翻訳・転載する。 |
革命運動は、組織された部隊と統一戦線、武装闘争を拡大し、みずからの結束を強化するという分野において、エストラーダ政権を打倒した成果をかりとるうえで有利な位置ににある。
党と革命運動は、腐敗した半植民地・半封建の社会制度のもとでの根本的変革についてはいかなる幻想もいだいていない。マクパガル・アロヨ政権のもとでも、帝国主義の支配と略奪、国内反動階級による抑圧、人民の悲惨さと国家的な暴力、欺まんなどはつづくであろう。
それでもなお、とりわけマクパガル・アロヨ政権の初期において、われわれは人民の綱領を主張し、マクパガル・アロヨ政権がこれを彼女の政策の中心にすえることを要求しなければならない。それゆえに、われわれは人民の利益をまもるために、闘争のあらゆる分野において、とくに武装闘争の分野において忍耐強く継続しなければならない。
グローリア・マクパガル・アロヨは、新植民地主義のかいらい政権の現在のチーフである。彼女とその政府は、外国独占資本主義と大買弁資本・大地主などの国内搾取階級の利益を代表している。同時にマクパガル・アロヨは、エストラーダ=マルコス派やアキノ=コファンコ派に対抗して、ラモス派の派閥的な利益を代表している。
それでもなお、マクパガル・アロヨ政権は、腐敗したエストラーダ政府を打倒した民主的大衆運動の産物であることもはっきりとしている。この大衆運動の中心は、勤労大衆、小ブルジョアジー、民族ブルジョアジー、反エストラーダの反動勢力などによる統一戦線であった。
しかし、彼女はその派閥的な利害を保証することをいそぐあまり、親ラモスの人物、とくに退役将軍や親帝国主義のテクノクラートなどを指名した。同時にマクパガル・アロヨ政権はこんにちにいたるも、人民の不満を解決するような動きはいっさいおこなっていない。
新政府は、エストラーダ打倒以後、外国投資家の信頼が回復してきたとじまんしている。だが、フィリピンにおける現実の根本的な経済問題は、外国独占資本主義とそのパートナーである国内大資本による支配と略奪であり、かれらが基礎産業の発展や真の土地改革を妨害していることである。人民の経済的利益をはかるためには、過去、マクパガル・アロヨが熱狂的に推進してきた自由化、規制緩和、民営化の政策を転換するなど、急進的な政策を実行しなければならない。
マクパガル・アロヨ内閣は、フィデル・ラモス将軍をはじめ、心理作戦のエキスパートである国軍のファッショ的な退役軍人でみたされている。かれらは、人民にたいする反革命戦争をすすめるという枠組みのなかで、ファッショ的な暴力をつかうよりも、「和平」のマントによって基本政策をおおいかくすことで知られている。
マクパガル・アロヨが、人民の利益をはかることを拒否しつづけているので、進歩的、愛国的、民主的勢力とマクパガル・アロヨ政権との共闘の基礎は浸食されている。彼女の政権が不安定になったときは、彼女を政権につけた統一戦線の民主的要求にたいして積極的な姿勢をしめし、彼女の政権にたいする支持、支援を求めるほうがかれらにとって有利である。
彼女は早急に人民のさけびをとりあげる必要がある。それは、エストラーダの起訴、政府内の腐敗や不合理を徹底的に一掃すること、生活条件、賃金、住宅などの緊急的な改善策と長期的な改善策を実行すること、貧農大衆のための真の土地改革、民営化・規制緩和・自由化・下請化・不安定雇用労働者の導入などあらゆるかたちの貧困化政策の即時中止、軍事化、軍国主義、全面戦争政策の中止とその犠牲者の救済・名誉回復、そしてアメリカとの一時駐留軍協定の廃棄とアメリカの国内問題への干渉にたいする抵抗などである。
革命運動は、エストラーダ政権を打倒する運動のなかからおおくのものを収穫するうえで有利な立場にある。革命運動が大衆運動をただしく忍耐強く継続し、統一戦線を拡大し強化してきたことは、現在のこのましい情勢をつかってあらゆる方法でみずからを強化するのに有利な位置に革命運動をおいている。
われわれは、まずなによりも、反エストラーダのデモンストレーションに参加した広範な大衆、とくに学生、労働者、都市貧困層、専門職、教会関係者などを組織する連帯活動をとおして、フィリピン人民の高いレベルの戦闘性を維持しなければならない。
われわれは、反エストラーダのたたかいの経験を総括し、マクパガル・アロヨ政権のもとでの情勢と任務をあきらかにし、フィリピンの歴史と社会についての意識を高めるための政治教育と宣伝をおこない、かれらを革命の道へと獲得しなければならない。また、エストラーダに欺まんされてきた都市貧困層を獲得し、人民全体とともにかれらの利益を前進させなければならない。
このこととあわせて、われわれは、真の社会的、民族的変革を前進させることをめざして、反エストラーダの統一戦線を強化し、拡大することを継続しなければならない。抗議運動を前進させるなかで、うみだされ、拡大されてきた関係を発展させなければならない。これは、全国的、あるいは州、地域、町村レベルでおこなわれるかもしれない。われわれは、こうした連携を、政治闘争を前進させるためだけでなく、広範な大衆を獲得し、基本大衆のところでわれわれの強固な組織を確立していくためにも活用しなければならない。
また、「左翼」を装っている反革命勢力をひきつづき暴露しなければならない。かれらがあやまったスローガンをかかげ、戦略的課題と戦術的課題を混同させることによって、反エストラーダの統一戦線を分裂させようとしてきたこと、とりわけ、サンラカス・BMP派が労働者と都市貧困層の利益をうりわたしたことを暴露しなければならない。
そのほか、われわれは農村部において革命的武装闘争をひきつづき強化しなければならない。ゲリラ戦線を強化し、その数をふやし、貧農大衆による反封建闘争を前進させ、より大規模な戦術的攻勢をおこない、革命的大衆基盤の結束を強化し、拡大しなければならない。また、都市部の勢力にたいして、農村部へいって、革命的武装闘争へ参加することをうながさなければならない。
フィリピン民族民主戦線は、革命の原則と人民民主主義革命の綱領にそって、政府との和平交渉を再開する用意がある。それは、人民の利益を前進させ、民族民主革命の綱領を宣伝し、人民の福祉を前進させようとしない反動国家を暴露するための、もう一つの闘争分野である。
エストラーダを追放したエドサ通りと全国における何百万もの人民の運動は、マクパガル・アロヨにたいして、彼女の一挙手一投足、ひとつひとつの政策や法律などを人民がしっかりと監視していることを警告するものである。勤労大衆の利益にたいするあらゆる侵害行為、ひとつひとつの民主的権利にたいする侵害行為、民族的利益を裏切り、外国の利益に追随するあらゆるふるまいは、あらたな人民の決起をよびおこすであろう。
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