『労働通信』2001年3月号
過去最高の増収増益でも賃金抑制は続く 電機産業労働者 片山 茂
電機産業では、過去最高の売上高とバブル期につぐ利益をだした。
電機産業一七社の売上は、約二九兆円で昨年とくらべて、二兆円あまり売上をのばしている。
このような増収増益のなかで、労働組合の賃上げと一時金要求は、きわめて低い内容となっている。三菱電機の場合は、賃上げは、三五歳標準労働者で、ベア二〇〇〇円、一時金では、年額一五万二四〇〇円である。とくに、賃上げは、低くおさえられている。これは昨年の要求とおなじである。
昨年は、おなじ要求にたいして獲得した額はわずか五〇〇円であった。一時金については、年額五・六カ月の要求で増額二九万九〇〇〇円を要求しているが、これは二年前二〇万円以上の賃下げがおこなわれたためであり、たとえ満額を獲得しても二年前の水準にもどるだけのことである。
会社は、これまでのもうけを労働者にかえすことはせず、パソコン、机、ロッカーなどの備品などの入れ替えなどに投資した。年末には、一万円程度の商品の贈呈でごまかそうとした。また、会社がもうかれば、いろんなモノがよくなっていくという風潮をつくっている。
このようなことに怒りをもち、「こんなことにカネをつかうな。給料を上げよ」という声が多数でているが、「きびしい世の中で、くれるだけましや」という意見も聞かれる。
先日、「春闘」の職場集会が開催された。執行委員のオルグにたいして例年のごとく参加者からはほとんど意見がでない。それはいってもしかたがないということである。
わたしが、「市場空前の利益を上げながら、このような低い要求では労働者の生活が改善されない。生活実態とかけはなれている」と意見をあげて「これは、最低限の要求であり、最低獲得額である。これをとることを確約してくれ。ここにきているみなの要求である」というと、参加者からは、ぼそぼそと声がでてみながうなずいていた。
執行委員もその雰囲気におされて「みなさんの声を委員長につたえます」といいながらかえっていった。
今年の「春闘」は、リストラ「合理化」のもとでばく大な利益をだしているなかでたたかわれている。それはちょうどシーソーみたいなもので、リストラ「合理化」、賃下げがすすめば会社は利益が増えるということをあらわしており、労働者の利益と会社の利益が反比例するということをはっきりとしめしている。
労働者の生活実態に根ざした要求をつかみ、この社会の実態を暴露して労働者の展望をしめしてたたかっていくことが重要となっている。