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旧国鉄=JRの不当労働行為の歴史を振り返る(上)

『労働通信』2001年3月号

 混乱と不信を国労にまねいた与党と社民党による 「四党合意」 は一月二七日の国労続開大会の代議員直接賛否の結果、採択された。大量の機動隊を動員して「合意」反対組合員を排除してまでこの問題に終止符をうたねばならない状況はなんだったのだろうか。また、はたして訴訟をとりさげて闘争団員の納得いく解決を本部ができるのか。

 「四党合意」は、国労がまず一〇四七人の労働者にたいする首切りや不当労働行為にかんして「JRには法的責任はなかった」とみとめ、訴訟などをいっさいとりさげたうえで、JRとのあてのない「話しあい」をおこなうというものである。

 だが、JRとその前身である国鉄の不当労働行為は、歴史をみればはっきりとしており、それが現在の全産業の労働者にも影響をあたえている。本誌ではあらためて、「分割・民営化」を前後とする時期からの国家的不当労働行為の経過についてふりかえってみたい。

国労解体を政府が画策

 一九八七年四月一日、国鉄が分割・民営化され、JRが出発した。その日から国労の「不当労働行為・採用差別糾弾」をかかげ、政府自民党とそれぞれのJR経営陣にたいする血のにじむあらたな闘争が幕をあけた。七八〇〇人あまりが国鉄清算事業団につめこまれ、その三年後、一〇四七人が完全解雇された。ここにいたるまで政府と国鉄当局にたいする国労とその他の労組の苦渋ともいえる葛藤があった。

 政府、自民党は「行政改革・財政再建」を中心的国策として位置づけ、「国民の公僕」意識の徹底と称して公務員にたいする「綱紀粛正」をとなえ、おもに「三公社五現業」の民営化、事業の下請分散化などの抜本的改革による財政削減をおしすすめてきた。まさにその「模範」となるべき取組が一九八一年「国鉄改革・再建」を目的とした財界主導の第二次臨時行政調査会(第二臨調)の発足であった。臨調の基本中の基本はたんに「公社としての公共性と企業性がそこなわれている」「全国一元的運営だったから国鉄が破綻した」などの理由で国鉄の改革をやろうとしたのでない。「戦後政治の総決算」を地でいく「たたかう労働組合の解体」とかぎりない権利剥奪と首切りの必要性をおおやけに確認をもとめた野望であり、労働組合を労資協調に変質させて、そのうえで大資本がもとめる運輸手段の大「合理化」を実施することだった。

 事実、「国鉄再建」計画では、組織全般にわたる簡素化や職場規律の「是正」、ローカル線の廃止促進、地域運賃の導入、貨物輸送の抜本的みなおし、そして経費縮小のさいたるものとして要員削減が必要と提言し、「再建」に名を借りた労働者への大弾圧だったのである。

すべて現場に責任転嫁

 あくまでも「分割・民営化」しか眼目にない第二臨調は、中曽根政府の強力なあとおしをえて、マスコミを利用した国鉄職員の「ヤミ・カラ」の暴露キャンペーンから攻撃にうつった。それは「国鉄労使悪慣行の実態」と称し、突発休、時間内食事や入浴、諸手当などが矢面にさらされた。とくに問題視されたのが職場交渉体制である「現場協議制」であった。組合員の現場でのたたかいによってかちとられた労働条件や権利はマスコミによって「自分勝手」「乗客無視」などとはやしたてられ、国鉄をだめにした原因だと規定された。政府は第二臨調の基本答申をうけて「国鉄再建監理委員会」をもうけ、国鉄の改革に強力な体制でのぞんだ。国鉄再建にさいし、「健全な労使関係」をもとめるために国労、動労、鉄労などの労組に国鉄当局は、労資が国鉄改革の実施にむかって一致協力して尽力するとした「労使共同宣言」締結をもとめてきた。

 結果的に国労・全動労をのぞく労組は締結して「分割・民営化」を容認していった。それは、最終的に八万二〇〇〇人の余剰人員をうむ四度のダイヤ改正「合理化」をまねくことになった。たとえば新幹線と平行する在来線運行の大幅削減や、貨物取扱駅数の縮小など「国鉄再建計画」が具体的に進行した内容であった。

 一九八四年、雇用の危機感に埋没した各労組は国鉄当局が提案した「余剰人員対策計画(勧奨退職・退職前提休職・派遣制度の充実)」の締結を余儀なくされた。国労は反対を表明し、当局による退職の強要はおこなわないと確約をとって妥結をおこなった。しかし、監理委員会におされた国鉄当局はしつようであった。「余剰人員対策計画」の本格的交渉で合意にいたった労組には「雇用安定協約」の継続をおこなうが、そうでなければ国鉄職員の身分保障はおこなわないむねを告げてきた。鉄労などは提案をうけたが、国労・全動労は首切りにつながるとして全面撤回をもとめ、時限ストや全国の拠点で抗議集会などの計画を示して交渉するなどの運動を展開し、一定の妥協をかちとったが雇用不安の払拭にはいたらなかった。

(次号につづく)

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