千葉 小学校教師 桂 耕作
『労働通信』2001年3月号
一月二七日から三〇日まで、東京で、日教組第五〇次教育研究全国集会が開催された。
一日目の全体集会(有明コロシアム)は、大雪で冷蔵庫のなかにはいるような寒さだった。東京都教職員組合の組合員は、大雪と寒さのなかで献身的に案内や受付をおこなっていた。頭がさがる思いだった。
ところが、全体集会のプログラム(来賓祝辞)のなかにこの東京の組合員、教職員を差別・選別する中心人物、東京都教育長があいさつにたった。会場からはいっせいにヤジと怒号がとびかい、かれの言葉は聞きとれないほどであった。かれのあいさつのなかで「主任制の徹底」ということばが発せられたとたん、批判のボルテージはさらにあがった。
東京・国立市では、昨年の卒業、入学式で「リボンをつけて出席した」などの理由で、一七人の教員が処分された。また東京都では教員の一人一人が校長・教頭との面接で各項目ごとに評価される人事考課が実施されている。
「子ども・父母とともにつくりあげてきた国立の民主教育」への攻撃。東京都の教職員への差別・選別をおこなっている中心人物を来賓としてよんだ日教組中央をきびしく批判しなければならない。
文部科学省とのパートナー路線は、日教組書記長の基調報告にもみられた。基調報告では今次研究の課題として、@子ども、保護者、住民参加の学校改革の論議をすすめる、A教育内容の精選と地域に根ざした創意ある教育課程編成をすすめる、B平和・人権・環境・共生・ジェンダーインクルージング・開発教育の視点からあらゆる教育活動をみなおし、実践する、C受験体制の抜本的改革、Dひらかれた学校づくりや地域に根ざした教育の実現、民主的な職場づくり、E日教組関連の研究や調査と現場実践を融合させる取組、F以上の取組を教育改革キャンペーンと連動してすすめる――の七項目をあげている。
この基調には、「教育改革国民会議」でうちだされた「教育基本法」の改悪、「奉仕活動の義務化」など、日教組がもっとも重視してとりくまなければならない課題については、「『教育を政争の具』にする意図がみえ、警戒する必要があります」という表現ですませ、たたかいを組織しようとする姿勢はまったくみられない。「君が代・日の丸」の強制反対は文章表現もない。また教科書改悪が自由主義史観グループによってすすめられているのにたいし、これに反対していく姿勢もみられない。これは文部科学省とは対決しない、つまり文部科学省を補完していくことをしめしている。
基調報告は、日教組の教育運動の方向をしめしているので、重視しなければならない。
わたしが参加した特別分科会「子ども参画と学校改革」は、第四六次全国教研(一九九六年大阪)から昨年の第四九次全国教研(二〇〇〇年石川)まで、五年間にわたって設置された「いじめ・不登校」特別分科会の継承・発展としてひらかれた。
分科会の冒頭、司会者からこの分科会の目的が報告された。この報告にたいして「いじめ・不登校の特別分科会がなぜなくなったのか?」(高校・石川)という質問がだされた。この質問にたいしては、この間の経過と具体的には小分科会のワークショップでおこなうという返答だった。しかしこれまで参加した教師のなかには「過去五年間の『いじめ・不登校』分科会に参加した子ども達の苦悩の叫びにこたえる方向をなに一つしめすことができず、子どもたちから糾弾された」といった思いがあった。
つぎに共同研究者=大阪ボランティア協会事務局長より「奉仕活動」と「ボランティア活動」のちがいを報告された。簡単にのべると「奉仕活動」とは「奉(たてまつ)り仕(つか)えるもので、やらない人には罰をあたえるもの」「ボランティアは自発的でみずからすすんでやるもので、やらない自由もある」。各県のレポート報告は、各地域での体験学習だった。いくつかの質問、意見がだされたが、今日の「荒れ」に悩む石川県の工業高校教師の質問をうけて「ボランティア活動などで市民運動的なものを体験しひろげていけば、はたしていじめ、不登校などで悩んでいる子ども達に希望をもたせていく社会がつくれるのか?」という意見がだされた。
今回の教研に参加して思ったことは、つぎの点である。