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『労働通信』2001年3月号


情勢が厳しいときこそチャンス

関西生コン労組・武洋一さんに聞く

 各労働組合で、「春闘」へのとりくみがはじまっているが、今回は、ゼネコンや大手セメント資本を相手にたたかっている全日本建設運輸連帯労働組合関西生コン支部(関西生コン労組)の書記長・武洋一(たけ・よういち)さんに関西生コン支部の「春闘」の取組を聞いてみた。

――「春闘」をどのような姿勢でとりくんでいるのですか?

 世間的には「雇用をまもるためには、賃上げはがまんしないといけない」といわれますが、わたしたちは「賃上げもできないのに雇用がまもれるか」という態度でのぞんでいます。

 情勢がきびしいといわれます。企業がもうかっているときは企業の力がつよい。しかし、情勢がきびしいときがチャンスです。相手の力が落ちてきています。関西生コン労組の経験でも、「情勢がきびしい」ときほど要求が前進しています。

 また経済的要求だけでなく政治構造、経済構造のしくみをかえるたたかいもしています。

――生コン業界での規制緩和はどのようにすすんでいるのでしょか?

 セメント業界でいえば、免許はすぐおりるし、車両四〜五台で事業をはじめられるようになりました。業界の構造改革では、大手セメント資本がそれぞれの系列専属の輸送業者をなくそうとしています。そこの労働者をいったん解雇し、新会社をつくり、今度は系列に関係なく、安い運賃ではこばせようとしているのです。また、大手セメント資本は、系列の不採算部門をきりすてようとしています。採算がとれないと下を切ればいいという姿勢はぜったいに容認できません。

 わたしたちは、協同組合方式で生産の調整と輸送の契約をおこなわせるようにしています。生コン業界では、大阪では九六年から一つの協同組合で生コンを供給しています。それまでは供給過剰でした。そのままでは工場が三〇〜四〇つぶれるところでした。

 生コンの値段も現在大阪では一立方メートル一万四三〇〇円になっている。高いといわれるが、二〇年前の水準にもどっただけです。生コンには安定供給、適正価格、品質保証がもとめられます。生コンの価格をひきさげ、労働者を押さえつけた結果、手抜き工事がおこっています。

 「春闘」にしても労働条件や賃金だけをとりあげているのではありません。「賃上げを三万円、一時金一五〇万円」というのはかんたんだが、それをどうすれば実現できるかを考えないと。ストライキだけが闘争手段ではない。組合員には理解しにくいが、「政策課題」をかかげての「春闘」もします。昨年は賃上げは、四五〇〇円だったが、ダンピングなどをなくすための不正防止委員会を設立させました。

 また、過去にいろいろないきさつはあったにせよ、できるだけ生コン関連労組五団体(関西生コン、全港湾、建設交通労組、運輸一般、CSG連合)と共闘をくんでいます。昨年の暮れには、産労と協同で政策課題ストをうちました。

――組合員への教育活動は、どのようにすすめられていますか?

 関西では、一四のブロックにわけて組合を運営しています。ここに組織、教育、機関紙などの責任者を配置しています。大会方針、「春闘」方針などを仕事が終わったあと、七時ぐらいから九時ぐらいまで学習しています。
 個別には、ミニ学習会を開催しています。これは小グループによる討論形式です。ここには、かつての役員経験者がチューターとして参加しています。現役の役員が参加すると組合員がいいたいことがいえないこともあるので。
 学習の目的は、組合員の成長をうながすためです。相手側は組合を研究している。おなじ水準ではたたかいにならない。資本の攻撃は巧妙になってきている。生コンといえばすぐ「やくざとの闘争」にみえますが、それは表面のことです。情勢や産業の動向をつかむことで、「自分だけよければいい」という考えを変えるようにしています。

――未組織労働者の組織化についてどうすすめられていますか?

 生コン産業もけっこう未組織労働者がおおい。各ブロックの責任者が担当の企業の労働者者の人数、住所等を調査し、組織化工作をできるようにしています。

――国際連帯活動については

 昨年、組合結成三五周年を記念して、朝鮮民主主義人民共和国を訪問しました。相手側は世界的な視野で労働者を押さえつけている。たとえばセメントでも中国や台湾でつくって日本に安く輸入している。それだけ外国の労働者が安くつかわれているということです。
 労働組合の側も、企業の枠だけでなく、世界的な視野にたつ必要があるのではないか。国際連帯活動は、これからもつよめていきます。

――ありがとうございました。

 

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