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『労働通信』2001年3月号


インターネットで労働運動について意見や情報を交換

 編集部は、今「春闘」にあたって「労働通信」のホームページ上に一月一四日から「2001春闘ネット討論会」と題する電子掲示板をもうけ、おおくのみなさんに「春闘」や労働組合について意見や情報を投稿していただくようよびかけてきた。

 その目的は、インターネットの利点を生かして、時間や場所の制約をこえて、労働者同士の情報や意見の交換、経験の交流などをおこない、ゆるやかな連帯と「春闘」の活性化、労働運動の強化に貢献しようというものである。

 おかげさまで開設から二月なかばまでの約一カ月間のあいだに一四〇〇人以上の方々からアクセスがあり、一〇人強の方々からのべ四〇本ちかくの情報や意見の発言(投稿)をいただいている。これらの数字は、有力なホームページにくらべればまだすくないけれども、討論のなかみは現在の「春闘」や労働運動がかかえる問題をいろいろな角度から論議するものとなっている。

 二月中旬までに「ネット討論会」で論議された内容をご紹介しよう。

リストラの現状

 リストラの現状については、「希望退職」の募集がおこなわれているNTTの労働者から、会社が四〇歳以上の労働者にたいして、「(有利な条件で)退職するのは今年が最後のチャンスだとふれまわっている。わが営業部でも一割弱(五〇人あまり)の労働者が応募、この春から職をうしなう」との発言があった。べつの民間労働者からは、「他業者のダンピング価格にわが企業もしたがう」ために全面的な労働条件改悪が提示され、来年からは年間賃金が三分の二にへらされてしまうという実態が報告された。

 今年の日経連の「労問研報告」では、あらたな雇用形態として「短時間社員」の導入が提起された。それがすでに実施されている郵便局の労働者からは、短時間職員の「収入は職員の半分弱、ボーナスは一〇分の一、二年契約の不安定な雇用です。こうした制度が民間企業に導入されれば、賃金総体のきりさげは必至です」との発言があった。

能力主義賃金

 「ネット討論会」で論議が集中したテーマの一つは能力主義賃金の問題であった。

 ある化学産業の労働者は、「わたしの会社では、上司との話し合いによりあらかじめ仕事の目標をさだめ、その達成度によって個個の労働者を評価する方式をとっています」と語り、その評価が賃金、ボーナスに反映するために、労働者は目の前に人参をぶらさげられた馬のように働かされたうえに、個人主義に走ったり、反抗できなくされていること、そのもとでさらに分社化や下請化が抵抗もなく強行されていることを暴露している。

 もうすぐ管理職になるという、べつの化学労働者からは、自分の経験として、部下を査定する基準は「正直、いいかげんなものです。……実際は『能力給』はある種のイデオロギー攻撃程度の意味しかもちません」という意見がだされた。

 民営化攻撃のなかで、能力主義賃金が導入されている郵便局の労働者からは、局長が局内の広報紙で「五〇歳以上、二〇年勤続以上の職員で、『職責をはたせていない人』『上司の再三の指示・指導にしたがわない人』……は、ぜひこのさい勧奨に応じ、就職難でこまっているわかい意欲のある後進に道をゆずってほしい」と公然と首切りを表明していることも報告された。

 また、ある労働者からは「これからは終身雇用がくずれて、流動雇用になるなら、文書で能力に応じた配置と業務内容を雇用関係が生じる前に確認する時代だと思います。対等な立場で」という意見もだされた。

労働組合運動

 「ネット討論会」で論議が集中したもう一つのテーマは、やはり「春闘」や労働組合運動の現状である。

 つぎのような現状が報告された。

 「NTT労組は極端な差別賃金制度を採用し、資本との闘争を全面放棄、組合員に討議もさせず、『ベア要求断念』をマスコミに先行報道させ、春闘前段にたたかう意気込みを破壊している」

 「さいきんでは組合員の春闘にたいする関心がうすれています。……その原因の一つが、ここ数年の春闘が年中行事のようになり、交渉パターンもマンネリ化し労使の話し合いに終始していることにあります」

 「たぶん、つぎのようなことが理由で、マンネリになっているんでしょう。@長年の交渉……により、だいたいのおとしどころを労使とも予想し、それがずれない、A労組の活動家は大手ではもちまわりである。……、Bあたらしい問題があらわれているのは組合もわかっているが、どのように対応していいのかわからない」

 「『春闘』ということですが、あつまって話をすることがくずされてきている。当局によって、組合が郵便局会議室をつかうのは夜七時三〇分までに制限され、組合もみんなの不満の聞くための職場集会をひらく力量がない。……人事交流(ひんぱんな配置転換)によって職場は人との関係がばらばらにされている」

 「先日、O市職員組合の大会がありました。執行部よりの提起として、メリットのない自治労からの脱退が提案されました。……話しあいはこれからですが、だいじな問題だと一組合員として思っています」

職場活動

 労働者のなかではこの現状をなんとか打開したいという意識がうずまいていることも共通してだされた。

 「労働者は年末手当の廃止と夏・冬特別手当の減額、五〇歳昇給の廃止で極端な生活破壊に追い込まれている。賃上げ要求や資本の攻撃、労組の腐敗と裏切りに怒りをつよめ、座視するだけでなく、行動し、要求や意見を組合に、という動きがでてきている」

 「一人一人の労働者には力があるのだが……、組合の機能を発揮させることで団結した力にかえる」

 「末端の労働者のなかには怒りもあり、これをどう団結につなげていくかは今後とりくんでいくべき課題と考えています。なにか実践的ないい案があれば、おしえてください」

 こうしたなかで、ある連合傘下の単組の役員からは、具体的にどう運動をすすめていくかについて、「わたし一人の発言だけではまったく力にならない」としたうえで、つぎのような活動経験が報告された。

  1. ひごろから職場組合員の本音をききだすためできるかぎりおおくの組合員や職場委員と話をし、その意見をまとめて委員会に報告する。職場の声は無視できないのでおおきな発言力となる。
  2. 組合役員にもかならず問題意識をもった人がいるはずなので、そうした人をみつけ、討論や学習をつうじてたがいのベクトルをあわせ、意識的な労働者を結集していく。
  3. こうした活動は地味でなかなか成果がみえないが、プラス思考で楽天主義になることがたいせつだ。

ひきつづきご参加を

 そのほか「ネット討論会」では、地域ユニオンで労働組合を結成し、今年はじめて「春闘」をたたかうという労働者からの発言や、いまの労働者がおかれている現状について、その背景にあるおおきな情勢をつかむ必要があるという趣旨の発言もあった。労働運動にインターネットを活用していく問題や、日本の多国籍企業の海外子会社での組合つぶし攻撃なども話題にのぼっている。

 インターネットに接続できる方は、ひきつづき「ネット討論会」へアクセスしていただくようお願いします。

 

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