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「2001春闘ネット討論会」(掲示板)は、2001年6月以降は、「労働運動・労働問題ネット討論会」に名称を変更し、継続しています。

組合つぶし攻撃とのたたかいにアドバイスや激励の声

『労働通信』2001年5月号

 インターネットの利点をいかして、労働者同士の意見や情報の交流をうながそうと、『労働通信』ホームページに設置されている 「2001春闘ネット討論会」(電子掲示板) で討論された内容について今回も紹介しよう。

組合つぶし攻撃をめぐって

 二月中旬から四月中旬までにおよそ二三〇〇のアクセスがあり、一六人の方方からのべ一〇〇本あまりの意見や情報などをいただいた。

 この二カ月間の討論のなかでもっとも注目をあつめたのが、OVERKILLというペンネームの中小企業のパート労働者からよせられた組合つぶし攻撃とのたたかいである。

 OVERKILLさんは、地域ユニオンに加盟し、今「春闘」で組合を公然化し、時給一五〇円の賃上げ、時間外労働の割増分の完全支払い、有給休暇が取得できるようにすること、パートから正社員への雇用形態のきりかえなどの要求を提出して初の「春闘」をとりくみはじめた。(二月二三日投稿)。

 ところが会社側は、非組合員をあつめてこの要求書をよみあげ、管理職の一部が「この要求をのんだら退職する」といいだすなど反組合的な感情をあおりたてた。そのため一部の非組合員がこれにのせられ、OVERKILLさんをとりかこんで「どう責任をとるのか」とつるしあげをするという事態がひきおこされた(三月三日投稿)。

 その後の団交では、会社は組合の要求への回答を拒否するばかりか、ぎゃくに賃下げ提案をおこない、有給と時間外手当の支給についても「労基署に告発しても拒否する」といいはなった(三月八日投稿)。

 そして四月にはいるや、会社側は組合員のみならず、非組合員もふくめた全社員を対象に「希望退職」の募集をはじめた。このなかで、非組合員は「希望退職」募集の原因が組合結成にあったかのようにとらえてOVERKILLさんへの攻撃をエスカレートさせ、帰宅途中にまちかまえて暴力ざたさえひきおこしかねない言動をはくなど異常な事態にたちいたった(四月五日投稿)。

 この投稿をめぐって、おおくの労働者から激励やアドバイスなどがつぎつぎとよせられた。

 かつておなじような体験をした労働者からは、みずからの体験にもとづいて「一つに会社からの攻撃には徹底的に反撃すること、つらくとも日和らないこと。弱みをみせればとめどなくそこにつけこんでつぶしにかかってきます。二つめにとにかく、いまいる組合のなかまと意思統一をはかり、団結をつよめること。三つめに、とにかく仕事をがんばること。こんな会社のためと思うときもあるでしょうが他人の三倍がんばるつもりで仕事にとりくむことです。みずからの働く環境・労働条件をしんけんに考え、真摯にはたらく姿は非組の同僚や会社幹部たちに大きな影響をあたえると思います。四つめにたえず非組の仲間を意識した活動をおこなうこと(見る人はかならず見守っていてくれます)」というアドバイスがよせられた。

 べつの労働者からは、ある職場で組合結成直後は同僚から非難をうけていたが、その後、職場で過労死問題がおこり、組合が家族の訴えをうけて会社側と交渉し話をまとめたため、かつて組合を非難していた労働者もしだいに組合に結集するようになったという話も紹介された。

 その他の人人からも、「(今回の事態は)会社の一部幹部がシナリオを書いているとしか思えません」「個個の労働者は敵ではないので一面的に敵対しないように」といった意見や、「みんな応援してます」といった激励がおおくよせられた。

 四月にはいって全社員に「希望退職」の募集がおこなわれ、非組合員による攻撃がエスカレートした事態については「落ち着いて対応を考えましょう」「こちらから暴力をふるうことはさけてください」「ユニオンの顧問弁護士とも協議し、なにかあれば携帯電話でも連絡をとれる体制を」「一番たいせつなことは一人で対処しようとしないこと。組合のなかまや信頼できる同僚と団結し方針をふくめた対処を検討する。権力や金力とは縁がない労働者の唯一の武器は団結だけである」といったアドバイスがよせられている。

 OVERKILLさんの職場のたたかいは現在も進行中であり、ひきつづき「ネット討論会」としても支援をしていきたい。

春闘について

 「春闘」全般については、三月一四日のJCの集中回答で、「業績」が好調であったトヨタや日産が賃上げ、一時金とも昨年実績を上まわったことにかんして「一時金要求の交渉には労使双方のいいぶんに『業績』がかならずついてまわっていました。が、わたしとしては業績に関係なく、われわれの労働力の再生産費からベア、一時金の要求をかかげるべきだとずっと思っております」「日産の『業績』は容赦ない工場閉鎖、人員削減の結果によるもの」という意見がだされた。他方、「もともと春闘は右肩あがりの経済成長の時代に、もうかっている企業を基準に賃上げを中心とした労働条件上昇を横並び的に獲得するための闘争形態だったと思います。しかし、いまは逆に低い労働条件におさえるために横並びが利用されていると思います。ならば、トヨタのようにもうかっている会社の賃金は大幅上昇可能なようにしないと、労働者全体の賃金は大変低くおさえこまれると思います」という意見もだされた。

 今年の「春闘」でいちだんと前面にでてきた成果実績主義の問題も議論になった。職場の人間関係がくずされてきていることや、おおくの人人が将来に不安をもつようになり、これが少年犯罪などの背景になっているといった意見がだされた。

 富士通が、目前の成果ばかり追求する成果実績主義によって長期的な戦略をうちだせなくなっていることから成果実績主義のみなおしをはかっているとの新聞報道をめぐって、「資本の側は成果実績主義の欠点を補正しながら、より完成され、洗練されたものにしようとしているのだと思います」という意見もだされた。

 そのほか、賃上げどころか年収一〇〇万円ダウンとなるリストラが逆提案され、これに対応できない労働組合から脱退する人がうまれている職場の状況も報告された。

グローバル化について

 「ネット討論会」では、こんにちのリストラの背景にあるグローバル化についても論議された。地域でとりんだグローバル化問題の学習会の報告や、国際会計基準の導入が職場や労働者の生活にどういう影響をあたえるかについて意見が交換された。そのなかで、「グローバル化に対抗するイデオロギー方面での反撃が日本ではほとんどなされていない」という問題提起もおこなわれた。この問題についてはひきつづき議論の発展に期待したい。
労働者の分断をうちやぶる

 「田舎の市役所の職員です。さいきん、市民からの目があまりにきびしいというか、とにかく怒りをこちらに発散していると感じます。足のひっぱりあいは支配するもののよろこぶところだと思います」という投稿をきっかけに、公務員と民間労働者、さらに企業規模や雇用形態のちがいからくる労働者同士の分断、階層化の問題にも討論がおよんだ。

 ある労働者からは、この分断を打破し、企業別労働組合から産業別労働組合へと脱皮していくためには、「会社という社会の歯車から一歩はなれた地域において組織化をすすめることができないだろうか」として、東京土建一般労組などが「生産点での闘争を組織しつつ、生活点、つまりみずからの健康、仕事づくり、地域の問題にもとりくんでいる」という例が紹介された。

レーニンは古いのか

 『労働通信』編集委員会から出版されている『レーニンと労働組合』についても議論がおこなわれた。

 そこでは、日本の左翼勢力がなぜ大衆の信頼をうしなっているのか、レーニンが社会主義国家についてどういう原則をうちたてたのか、それとの関連で著者が現在の中国についてどのようにみているのか、といった問題意識がだしあわれた。

 ある労働者からは、日本共産党が「労働者階級の前衛」を否定し、知り合いの党員からも「レーニンの古典は古い」「革命なんて古い」といわれるなかで、「わたしたち自身が労働者階級の思想を自主的にまなぶことがだいじになっています」という意見がだされた。これをめぐって「レーニンの方法は表層だけとらえるならば古く見えるでしょう。だが、かれは徹底して勤労大衆の革命的潜勢力の組織化を追求しました。古いというひとは理論構築の主従がひっくりかえっています」という意見がだされていた。

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