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現代資本主義の基本的矛盾――資本主義発展の歴史的過程について

『労働通信』2001年5月号

 中国共産党の理論誌『求是』(隔週刊)は二〇〇一年二月一号より四回連載で「現代現代資本主義の基本的矛盾――資本主義発展の歴史的過程について」と題する論文を掲載している。
 本誌では一つの参考資料として、『求是』二月一日号の論文を二回にわけて転載する。みなさんのご検討をお願いしたい。

<5月号掲載分>

<7月号掲載分>


 資本主義の発展は、イギリスのブルジョア革命から数えて、すでに三六〇年の歴史を有している。生産力の発展から生産力の桎梏にいたるまで、生気はつらつとした状況から危機、動乱まで、資本主義は、隆盛から衰退までの歴史的な転換をへてきており、とくに二〇世紀前半では、すでにそうとう狼狽したところにまで落ちこんだ。にもかかわらず、第二次世界大戦以後、資本主義にまたあたらしい転機がおとずれた。
 それは、世界から消滅していないばかりか、さらに大きな発展をとげてきた。現在、経済、科学技術と生活水準からみても先進資本主義諸国は、われわれのような発展途上国よりもはるかにすすんでいる。それでは、このような現象があらわれたことは、資本主義の基本的矛盾がすでに克服されたことを意味するのだろうか? 資本主義がかならず消滅し、社会主義がかならず勝利するという基本的な歴史の法則がもうすでになりたたないのだろうか? これは、人類の前途、運命にかかわる重大な時代的課題である。時代の先頭をゆく中国共産党員は、すこしも躊躇(ちゅうちょ)を許さず、自覚的にこの課題にこたえる厳粛な使命をになわなければならない。

資本主義のあたらしい発展およびその主要な原因

 現代資本主義のあたらしい発展は、まず社会的生産力の発展としてあらわれている。

 五〇年代のなかばから七〇年代のなかばまで、西側先進諸国の国民総生産の年平均成長率は五・五%であった。九〇年代の末になると、全世界の国民総生産は三〇兆ドルに達し、そのなかで、西側先進諸国のしめる比率は七五%と高く、さらにアメリカが一国で二六・六%を占め、一人平均国民総生産額が三万ドルでいっそう群をぬいている。

 全体の経済実力の増大にともなって、西側先進諸国は、多消費をおもな特徴とする「ゆたかな社会」にはいり、資本主義支配のもとでの階級矛盾と社会的矛盾もいくらか緩和され、これこそ資本主義社会が具体的に時代とともに変化するなかで生まれた一部の繁栄の現象であった。

戦後資本主義経済はなぜ急速な発展をえられたのか?

 第一に、あたらしい科学技術革命が、経済成長に強大な推進力を提供したということである。コンピュータ技術、情報工学、生物工学と空間技術を目印とする第三次技術革命は、一群の新興産業を生みだし、現存する産業部門の改造をもたらし、産業構造の再編を促進した。金融、情報とその他の第三次産業は急速に発達し、現在の西側国民経済における比率のなかで平均して三分の二前後に達した。アメリカを例とするなら、その経済成長の三〇%は、先端技術産業部門によるものであり、情報技術産業は、すでにその最大の産業となっている。

 第二に、国家による社会経済生活への自己調節が、一定程度において生産手段の私的占有による生産力の発展への制約をしばらくのあいだ緩和させているということである。

 社会主義が巨大な優越性をもって世界にあらわれていらい、国際資本主義は、一方であらゆる方法で社会主義にたいして闘争をいどみ、他方で資本主義的生産のある部門と経済社会の運営、管理システムにたいして自己調節、改良と改善をおこない――それは社会主義の一部のやり方の模倣を含んでいる――そのことによって資本主義の生産関係は、現実の生産力に対応できるばかりでなく、さらに生産力を発展させてきた。

 第三に、ふるい国際経済秩序が継続して存在し、あたらしい国際経済秩序がまだうちたてられていないという条件のもとで、先進資本主義諸国は、その経済的、科学技術的、さらに軍事的な優位をつかって、世界市場で巨大な利潤を獲得したということである。第二次世界大戦以後、数おおくの発展途上国は、独立を獲得したにもかかわらず、経済的、政治的、軍事的になお国際資本主義の支配と脅威からぬけだすことができなかった。このような不平等な国際秩序のもとで、それらの工業化の過程がちょうど独占資本の拡張にひろびろとした空間を提供した。

  1. 第一に、それは、独占資本のために投資場所を提供したということである。一九六〇年〜一九八〇年のあいだ、西側先進諸国の発展途上国にたいする資本輸出累計は、五五〇〇億ドルに達した。輸出の結果は、資本の急速な増殖であった。
  2. 第二に、それらは、西側の製品のためにあたらしい市場を提供したということである。八〇年代中期、アメリカの発展途上国への貿易額は、アメリカの対外貿易額の三五%を占め、アジア、アフリカ、ラテン・アメリカへ輸出した製品は、対西ヨーロッパ、日本への輸出の合計をうわまわり、伝統的過剰生産危機を緩和するうえで重要な役割をはたした。
  3. 第三に、それは、西側に大量の廉価な資源と第一次産品を提供したということである。発展途上国の約三分の二の輸出製品(おもに原材料と第一次産品)は、先進諸国むけであった。アメリカ、欧州共同体諸国、日本の一三の重要原材料にたいする対外依存度は、それぞれ六〇%、九〇%、九二%である。

 発展途上国の原材料と第一次産品は、安い価格で西側へ輸出され、西側の工業製品は、反対に高い価格で発展途上国へ輸出されている。一方が低く、他方が高い、これは利潤の流れの方向を決定づけた。

 科学技術、自己調節と資本の拡張は、国内外でささえあい、たがいに補完しあい、あたかも船をこぐ三本の竹竿のように資本主義という船をしばし壊滅の渦巻からのがれさせ、しばらくの息抜きをへたのち、また意気揚々と世界に登場させた。資本主義のこのようなあたらしい発展は、なにをしめしているのだろうか? これは、資本主義制度の優越性をしめすものではなく、なおさら資本主義の基本的矛盾の解決をしめすものでもない。それは、あたらしい歴史的チャンスの発生と自分自身の止揚によって、資本主義が包容しうる生産力がなお一定の発展の余地をもっているということを証明したすぎない。(次の項目へ続く)

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