| この記事は、自民党総裁選挙で小泉氏が当選する以前に書かれたものです。 |
『労働通信』2001年5月号
夏には参議院議員選挙が予定されている。今回の参議院選挙をとりまく情勢は、森内閣の退陣、日本経済の不振などとあわさって、混沌とした政治情勢のもとでおこなわれようとしている。
自民党をはじめとする既成政党は、これまで利権集団や労働組合などの組織をフルに活用して選挙をすすめてきた。とくに参議院の比例代表区では、自民党は候補者名簿を決定するさいには、党員と選挙資金の納入額でその順位をさだめていた。しかしKSD汚職をきっかけにそのでたらめさが白昼にさらけだされ、自民党はいままでのようにしばりをかけた選挙ができなくなっている。
さらにこのかんの知事選挙(長野、栃木、千葉)では、まったく組織をもたない無党派の候補が自民党や民主党といった組織をもつ候補を向こうにまわしながら当選するという事態がうまれている。自民党は利権集団、民主党は労組、公明党は創価学会、共産党は自分の組織といった足もとがあるにもかかわらず、これらにとらわれない人人が「いまのままではなにも変わらない」という意識で行動をおこしはじめている。それがこれまでの知事選挙の結果としてあらわれている。
このような「政党ばなれ」がすすむなかで、参議院選挙がおこなわれようとしている。政府・自民党は、森内閣の退陣が確定的であり、あらたな総裁・首相をえらぶにしても混迷している状態である。しかし、不良債権の処理の迅速化をアメリカに約束した。自公保連立政権は、今後大量の失業と中小企業の倒産、規制緩和と経済のグローバル化を一気にすすめようとしている。そして、ブッシュ政権の世界戦略にそって日米同盟の強化をすすめようとしている。
対する野党であるが、民主党も自由党も基本的には不良債権の処理、規制緩和には反対していない。かれらが問題にしているのは、その時期と方法のみである。また自公保連立政権を打倒するための通過点として、参議院選挙をたたかおうとしている。社民党もこの考えに同調している。「共産党」は野党の一人区での共闘にも応じようとしていない。もっかのところわが道をいくというところである。つまり、今回の参議院選挙についても具体的な争点がとぼしく、有権者にとっては区別がつきにくい選挙となりそうだ。
民主党や自由党がどこまでやりきるか疑わしいし、かれらが労働者階級の立場にたった政党でないことも周知の事実である。だがおおくの労働者・勤労者は、自民・公明・保守の連立内閣の政治にへきえきしている。かれらのめざすところは、徹底した福祉の放棄、リストラ、中小企業のなぎ倒しであり、大量の失業と首切りを労働者に押しつけるものとなる。
大リストラ・首切りと「合理化」、侵略と戦争をすすめる政治か、これに反対し、労働者、勤労人民がゆたかにくらせる平和な社会を実現する政治かが問われる選挙。少なくとも自公保の現政権にはレッドカードをつきつけよう。