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規制緩和反対の戦線構築へ

全国湾大阪支部 山元一英さんに聞く

労働通信』2001年5月号

 グローバル化、規制緩和がすすむなか、労働者の利益をかかげて奮闘している労働組合による「春闘」の取組として、全港湾大阪支部の山元一英書記長にお話をうかがった。

――現在、全港湾大阪支部の組合員、分会数はどれだけありますか?

山元  大阪支部は現在、八三〇名の組合員、九〇の分会で構成されています。

――港湾荷役の規制緩和はどのように進行していますか?

山元  アメリカからの圧力に反対するために、「春闘」の山場で全国的なストを展開してきました。しかし内部的に、日本の港が拠点港からはずされるという事態になっています。国際的な規制緩和、物流の変化が社会的な圧力になってきています。二〇〇〇年一〇月に港湾労働法、港湾運送事業法が改正になり、規制が撤廃されました。

――具体的にはどう進行していますか?

山元  まず港湾事業について港湾荷役作業が免許制から許可制になりました。料金にしても許可制から届出制になりました。港湾労働に混乱をもちこむような料金であれば告発などで組合として対抗しています。しかし現在では港湾労働についても規制がなくなってしまいました。

 われわれは基本的には新規業者を認めていません。清水港で新規参入が三件ありました。人員を二四名と登録していたが実際は六名しか労働者がいません。しかしほとんどが書面審査のみであり、労組が抗議しないと申請を通してしまう。清水港の問題では国会議員からの調査で阻止しました。

――他の地域ではどうでしょうか?

山元  六大港に指定されていないところでは、港湾運送事業法は適用されません。北九州、響灘ではPSAというシンガポールの企業が三六五日、二四時間体制で稼動させています。機械化、OA化で港湾労働者は不用になっています。ここでは日本の労働慣行が通用しません。ここの取扱量は年間一五〇万コンテナ。北九州と関門で一〇〇万コンテナであり、博多と関門の仕事がここに移行することになります。既存の業者が衰退し、港湾「合理化」を促進することになります。

 北九州の運輸局へ抗議しましたが、労使問題には介入しないとの回答でした。日通、上組、山九は全港湾と無関係なので既存の労使慣行にとらわれず参入してきています。

――港湾労働法の改正でどのような影響が出てきますか?

山元  いままでは常用労働者と仕事がおおいときには港湾雇用安定センターの労働者を使って仕事をまわしてきました。しかしセンター労働者自体が減少しています。センター労働者は全国で現在一三五名です。それにかわって日雇いの使用が増加しています。

 港湾労働法の改正で、センターを廃止し、企業常用者を派遣し融通しあうようにしています。大阪ではあまりないですが、横浜では実際上日雇で仕事をさばいています。したがって労働組合としては全国港運協会との「日雇い不使用協定」を破棄して日雇い労働者を全港湾に組織するか、協定を完全に守らせて日雇いを雇用しないかどちらかの方向を追求します。

――トラック関係はどうなっているでしょうか?

山元 トラック関係は、ダンピングが激しいですね。リストラが激しくなってきていますがその場合でも労働組合の主張はきっちりと通していきます。

 たとえば労組主体で経営の不明部分の公開、役員報酬のカットなどを追及できます。全体的には企業協同組合方式で不正競争を排除する。悪徳業者は糾弾する。一定の補償をさだめ、過度の競争を排除する。無秩序なダンピングをなくすようにしていきます。

 トラック業界では新規参入でつぶれる企業がたくさんでています。港湾事業についてはこれからです。協同組合化で対抗していきます。

――国際的な港湾労働運動との関係では?

山元  リバプールでも日雇いを利用して労組を排除してきた。アジアではシンガポールでは国営企業、韓国は半官半民でボス支配です。交代制勤務が当然。日本の港湾労働は効率が悪いと宣伝されています。

 カナダでは労組と港湾管理企業が共同で労働者を供給してきましたが、最近日雇いを導入しはじめています。労組も一国の枠内では対抗できません。

 入札制度にも問題があります。ビルの管理の入札で料金が二〇〇万円で落札しましたが、時給四四〇円にしかならない。最賃六九五円を下回っている。社会保険もない企業に落札させるのは問題です。

 現在の規制緩和は最低限の規制をも撤廃しています。規制緩和反対の戦線の構築がもとめられています。自分たちの企業をどう守るかでは規制緩和には対抗できません。

――ありがとうございました。

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