中国共産党理論誌『求是』二〇〇一年三月一六日号より
『労働通信』2001年11月号
| 中国共産党の理論誌『求是』(隔週刊)は二〇〇一年二月一号より四回連載で現代資本主義を分析、批判する論文を掲載している。本誌では、このうち連載の第四回目の論文(三月一六日号掲載)を二回にわけて転載している。今回は後半部分である。 |
二つめは、一部の旧社会主義国における「資本主義への路線転換」前とその後の比較ということである。否定できない事実は、これらの諸国が社会主義の実践の過程でどのような過失をおかしたとしても、すくなくとも資本主義制度という範囲で達成しえないいくつかのことをなしとげたことである。それは、民族の独立と国家の主権を守り抜いたこと、国内の民族統一、民族平等、民族団結と社会安定を実現し、維持したこと、わずか数十年のあいだに、資本主義という条件下では数百年かかってはじめて得られる経済、教育、科学技術の成果をかちとったこと、プロレタリアートと広範な勤労人民の経済的、政治的、文化的な根本的利益を実現し、守り、発展させてきたことである。
「路線転換」以後、まったくちがう情景があらわれた。経済的、政治的、文化的に他人に支配されることが、そうとう普遍的な現象となった。覇権主義、強権政治による干渉と解体劇は、地域紛争、民族衝突を引き起こし、昨日の「オアシス」が局地戦争の火薬桶となり、党派闘争、闇社会勢力の悪性的膨張、汚職、腐敗、売春、麻薬、強盗、惨殺など、この地域をきびしい社会動乱のどん底におとしいれている。社会的生産は下りつづけており、二極分化が急速に拡大し、失業率が二桁に達し、インフレが悪性的に発展し、人民の生活水準がいちじるしく低下し、この地域にものさびしい暗たんと破滅の情景があらわれている。
一九二九年の世界経済恐慌以来、世界的経済恐慌がたえず起こってきたにもかかわらず、このときほどの深刻な傷を残すことはなかった。ドイツの学者ペコベスカとコリモンターは、『グローバル化の十大嘘』という著書のなかで、「一九八六年には、旧東欧諸国グループのなかでは四〇〇万人が貧困ライン以下で生活していたが、こんにちでは、すでに一億二〇〇〇万人となった」と指摘した。見るに耐えがたいこの惨状に直面して、かつての資本主義への望み、憧れをふりかえるのは、人人を悲しませる一種のブラックユーモアとなっている。
根っこは、つまり国際資本主義である。国際資本主義は、なぜ全力で社会主義に反対しなければならないのだろうか? かれらは、仏様になり社会主義諸国の人民を「不幸」から救おうとするだろうか? すべての欺瞞は、必ず事実によってくだかれる。社会主義の防衛ラインを粉砕し、資本主義の体系に組み込まなければ、これらの諸国をその資本拡張の道具となすことができないからである。かつて西側に「ソビエトの一番の敵」だとほめたたえられていた作家ジノヴィエフは、一九九八年の最後の日に、『ソビエトロシア新聞』紙上に「共産主義の失敗によって出現していた歓喜の気分はすでに消え去っている。人人は、かれらに強いられる道がロシアおよび、圧倒的な住民にとって壊滅的な道であることを悟りはじめた」と書いている。これらの事実からして、第三世界諸国が現実の世界で生存し、発展していくためには資本主義を捨てて、社会主義、すなわち国情に合致させた、自国の特色をもつ社会主義を選択しなければならないことを疑う余地もなく証明している。
『共産党宣言』発表の八年前、アヘン戦争が起こり、中国は、半植民地半封建の社会に転落した。そこから列強が横行し、内乱がいたるところで起こり、祖国は破滅し、塗炭の苦しみをなめ、中国民族は、この上ない屈辱をこうむり、国全体が滅亡の淵に立たされた。民族の存亡を救うために、中国人民は、真理を求める偉大な過程を開始した。公正にいうと、中国人民は、資本主義に対して生まれつきの偏見を持ちあわせていなかった。中国が国際資本主義によるじゅうりんを受けているにもかかわらず、資本主義の道を歩むことは、なお中国の先進的な先人の第一の選択であった。
ただ無数の失敗をへたのち、ロシア十月革命の影響のもとで、マルクス主義の輝かしい真理を見つけた。このときにいたって、中国人民ははじめて、中国がすでに独自に資本主義の道を歩む歴史的チャンスを失っていること、それは、当時の資本主義がすでに世界的体制となっていたからだと理解した。経済的、政治的、文化的に立ちおくれた後進国はこの体制にはいって、一番の外側に身をおき、「中心部」の資本拡張の奴隷と道具になりさがる以外ないのである。まさに毛沢東同志がいっているように、「帝国主義列強が中国を侵略する目的は、決して封建的な中国を資本主義の中国に変えることではない。帝国主義列強の目的は、これとは反対にかれらが中国をかれらの半植民地と植民地に変えることにある」(『毛沢東選集』第二版第二巻六二八ページ)。
そして、ロシア人の道を歩むことが、中国共産党を代表とする中国の先進的分子の共通の認識と選択となった。いわゆるロシア人の道を歩むこととは、資本主義体制と制度の外に民族解放の道を探し求めることであり、民族の独立、国家の主権をたたかいとる闘争と自国のプロレタリアートと広範な勤労人民を解放する闘争とを結合させることであり、すなわち民族の独立と人民の解放をたたかいとる偉大な闘争を、全世界のプロレタリアートが資本主義を消滅させ共産主義をたたかいとる偉大な闘争に融合させていくことであり、科学的社会主義の理論と中国の実際とを結合させ、中国革命勝利の道をたたかいとることである。一言でいえば、つまり「二つの必然」の実現を推進する世界史の過程のなかで、中国の民族の独立と人民解放の問題を創造的に解決するということである。
歴史は、このような選択が正しかったことを実証した。まさにこの道にそって、毛沢東同志を代表とする中国共産党は、中国各民族人民を指導して帝国主義、封建主義、官僚資本主義の反動的な支配をくつがえし、中華人民共和国をうちたてた。これは、中国にとってかつてない人民革命の偉大な勝利であり、「二つの必然」という科学的結論の東方の大国における偉大な勝利でもある。同様に歴史は、中国革命の勝利が世界的範囲の民族解放運動と国際社会主義運動の発展を力強くおしすすめていることをも立証している。
社会主義制度が確立してのち、数十年の社会主義の現代化された強国を建設する歴史の過程において、中国共産党は、終始一貫して『共産党宣言』の基本的精神を忘れておらず、終始一貫して社会主義堅持の道を忘れておらず、終始一貫して全世界で「二つの必然」を実現する歴史的過程における社会主義中国の重要な地位と重大な使命を忘れていない。しかし、他方において、中国共産党は、「二つの必然」をおしすすめることが空虚なスローガンではなく、人になりかわって革命を請け負うことでもなく、中国にしっかりと立脚して中国の仕事を着実にやりとげ、社会主義を真に中国で生き生きと成長、発達させて、中国における社会主義の成功と発展を「二つの必然」の全面的な実現のための確実な貢献とすることを深く理解することができた。
したがって、ケ小平、江沢民同志を第二代、第三代とする中国共産党は、一面では国際社会主義運動がうけた重大な挫折による大きな圧力を断固としてはねかえし、西側の敵対勢力がおしすすめる転覆浸透による政治的企みに力強く反撃し、社会主義の方向を堅持して動揺せず、また他面、中国の実際から出発して、全党、全国各民族人民の英知と創造力を結集し、我が国社会主義の勝利と挫折の歴史的経験を正しく総括し、他の社会主義諸国における成功と失敗の歴史的経験を教訓として、つとめて中国の特色をもつ社会主義を建設する道を探求しなければならない。
社会主義の初級段階における党の基本路線と基本綱領がすでに確立したことは、この道の形成といっそうの開拓をしめしている。この道にそって、われわれは、社会主義制度を強固にし、いっそう完備させ、社会主義建設の偉大な成果をたたかいとりつつ、いっそう発展させている。中国における社会主義の成功は、国際社会主義運動史上における偉大な奇跡となろう。国際社会主義運動が引き潮におかれているときに、それは、一株の独り立ちの大樹のように、八方からの逆風に耐え、社会主義のために強大な生命力を温存しており、社会主義が壊滅的な打撃をうけたときに、それは、一つの鋭利な剣のように、デマゴギーを暴き、社会主義のために尊厳と栄誉を獲得しており、多くの人が社会主義の前途への確信を失ったときに、赤々と光を放つ灯台のように、幾重の暗雲を突き破って、社会主義のために光と希望を照らし出している。さらに重要なことは、それが正面から全世界のプロレタリアートと広範な人民に、社会主義国がどのように改革をおこなうべきか、どのように社会主義制度を堅持し、完備させるべきか、どのように自国の実際から出発して「二つの必然」の歴史的過程をおしすすめるべきかを啓発していることである。断定できるのは、時間の推移につれて、その偉大な意義がすべての世界史の舞台でいきいきとしめされるにちがいないということである。
社会主義だけが中国を救い、中国を発展させることができる。これは、近代史以来とくに党創立以来の歴史がしめした科学的結論である。中国を救い、中国を発展させることこそが国際社会主義を堅持し、大きくすることができる。これは、建国以来とくに改革開放以来の歴史が貴重な教訓をしめしている。「二つの必然」の歴史的すう勢を忘れることは、つまり社会主義者ではない。中国の実際から確実に着手しないものは口先の社会主義者である。江沢民同志を核心とする党中央のまわりにいっそう堅く団結し、ケ小平理論の偉大な旗を高くかかげ、「三つの代表」という重要な思想を堅持し、二一世紀なかばに基本的に現代化を実現するために奮闘、努力することは、われわれのどの中国共産党員にとっても自覚的に担う厳正な歴史的使命である。こんにち、もっとも重要なことは、中央の『国民経済・社会発展にかんする第十次の五カ年計画網要』を積極的、全面的に、正しく貫徹し、『網要』が定めたどの任務をも、一歩一歩と確実に実現することである。このあたらしい歴史的過程において、われわれが流した汗の一滴、血の一滴は、すべて「二つの必然」の実現における歴史的過程をおしすすめるためのものである。当然、共産主義の理想が実現する日には、われわれのような共産主義者はすでに土に帰っているが、しかしわれわれの汗と心血は、未来を凝縮し、人類のまったくあたらしい世界にたてられる無字の記念碑となるだろう。この記念碑にお参りする未来の人人は、きっと熱い感動の涙を流してくれるにちがいない。
わたしたちは『共産党宣言』のつぎの注目すべき科学的結論を、この旅のしめくくりにしたい。
「ブルジョアジーの没落とプロレタリアートの勝利は、ともに避けられない」!