『労働通信』2001年11月号
二〇〇一年四月六日より、日本郵便逓送(日逓)の職場では、あらたな効率化施策が実行されました。昨年九月に「丸運」という業者が郵便輸送に参入してきましたが、その料金が従来よりも三〇%低いということで、郵政事業庁は各輸送会社にたいして「輸送料金のひきさげ」をもとめてきました。今回の効率化施策は、このことが背景にあります。
一昨年から料金が一〇%ずつひきさげられてきましたが、今回も同じ率(トータルで今までよりも二〇%削減)となったのです。
これに乗じて日逓資本は、全逓中央の一部指導部をだきこみつつ、以下のような施策を労働者に押しつけてきました。
この施策のなかで、とくに休日の削減、休憩時間の拡大にともなう超勤時間の削減、超勤単価率のカットは労働者の生活を直撃しました。これらの施策と諸手当の削減によって人によっては一〇万円近い賃金が減少しているのです。
労働組合の一部の幹部は「会社が苦しいから仕方がない」「組織決定である(ほんとうは支部長会議にはこのような権限はない)」などと組合員を愚ろうし続けています。
しかし六月くらいから「労働局に訴えて、一方的不利益変更ということを認めてもらったらどうか?」という意見がでてきました。さっそく、職場の仲間数人とNさんを中心に大阪労働局に紛争解決処理の申しいれをしました。当初、担当の監督官は「組合と会社の話がついているから」などといって相手にしませんでした。しかしながら私たちが「日逓企業の財務状況はけっして苦しいものではなく、昨年の経常利益は一昨年の九倍にもなっている」「リストラをするというが具体的な資料の提案や話し合いがまったくない」「課税所得六一億円もある企業が今日明日つぶれるものではないはずだ」「組合の幹部が退任すれば会社の管理職になる。このような人物どおしの交渉では、なれあいとしかいいようがない」ということを労働局に訴えてきました。私たちと労働局との交渉は五回にもおよびました。
一方日逓企業はというと、労働局のよびだしや資料の提出にたいして「労働組合と話がついているから、解決処理に応じる必要はない」「個別の苦情についてはいちいち応じていられない」という態度に終始しました。担当した監督官は、「この会社は遵法精神がない」「普通の企業なら資料ぐらいはだす」となげいていました。
労働局は不利益変更と判断
大阪労働局長は、一〇月三日に社長・相良兼助あてに今回の有志の申し入れにかんして、休憩時間拡大による実働時間の減少とこれにともなう時間外労働の減少、割増率の五%削減について、労働者に「不利益に変更された」と指摘し、労働者への説明義務を勧告する「助言」をだしました。この「助言」自体は、法的な拘束力はありませんが、これからの職場の運動にかんして、大きな力になると思います。
労働組合運動が低迷している現在、労働組合の活動自体を活性化させるのはたいせつなことですが、労働基準局監督署や労働局などの紛争解決処理制度やその他の制度を利用し、運動をつくっていくことも大切な時期になってきていると思います。