| このコーナーでは、『労働通信』の読者、現代労働問題研究会(準備会)の会員のみなさんから、職場、地域で取り組んだ昨年の活動をふりかえり、2002年の課題について投稿をしていただきました。 | ![]() |
『労働通信』2002年1月号
山口県における現代労働問題研究会(準備会)の活動は二年になる。
これまでの活動はおもに『労働通信』の学習と普及、『労働通信』編集委員会が中国の文献を翻訳した『レーニンと労働組合』、『変貌する現代資本主義とその歴史的運命』(仮訳版)の学習と普及をおこなってきた。
また、周陽地区においては、地域労働者学習組織として「木曜会」をたちあげ、会の運営方針を決め、毎月の定例会を持ち、職場や地域の情勢を討議し、そこで提起される問題を集団で解決するようにしてきた。
近年、会員のいる職場では、全局情勢をするどく反映して、資本主義のグローバル化によるリストラ「合理化」が大規模にすすんでいる。独占資本は、バブル経済の崩壊後の円高を引き金にして海外の安い資源・労働力を求めて大規模に進出し、他民族の搾取と抑圧、国内の空洞化現象をもたらし、高失業時代をむかえている。
そこに、二〇〇一年四月から国際会計基準(アメリカンスタンダード)が導入された。簿価会計基準から時価会計主義へ、単独財務諸表から連結財務諸表へ、キャッシュフロー表の作成へ移行し、それは、森・ブッシュの日米会談でも課題とした三つの過剰、すなわち過剰債務、過剰雇用、過剰設備をいっきにはきだすリストラ「合理化」によって日本資本主義の危機を緩和し、投資家にとって利益率の高い投機的な市場創出をうながそうとすることである。それは同時に国際競争力に立ちおくれをとっている日本資本主義が、ITをテコに日本型産業システムからグローバルスタンダードへ転換することによってアメリカ、ヨーロッパ資本との国際競争に打ち勝ち、生きのびようとするものである。要するに株主主体の経営を露骨にすすめるものへの転換である。すなわち小泉内閣がすすめる構造改革である。
こうした情勢の変化は、職場を直撃し、賃金のきりさげ、本工の削減、退職の強要、作業のパート・下請け化、派遣社員化などを徹底的に追求している。
「木曜会」は、職場での現場労働者が直面する具体的な問題とその背景について、われわれ自身の認識を高め、現場労働者の問題にこたえていくことを追求してきた。
会員の工場では、年間複数の自殺者や突然死などがでている。ある職場の労働者が下請け化によって現場から事務職に配転され、基礎教育もなく課題だけが押しつけられ、あきらかにいじめによる退職を強要するという問題がおこった。この労働者は「木曜会」の会員に事情をうちあけ、会員のいる二つの工場の労働者があつまってたがいの工場の状況を交流し、資本の攻撃が露骨化し労働者が共通の問題に直面している状況を語り合い、集団で問題を解決するようにはげましあうということもおこっている。労働組合が無力化している状況のもとで、労働者が下から団結して労働者の利益をまもってたたかう労働組合運動を再構築することが深刻に求められている。
このかんの『レーニンと労働組合』の学習会では、プロレタリア社会主義革命をめざして労働組合の機能・役割を明確にすること、労働組合の軽視やセクト主義の誤りをただし、一貫して労働組合の階級的強化をめざして職場から再構築することをあきらかにした。
また、階級矛盾の緩和策として高成長時に構築されたセイフティーネットが資本主義の危機のこんにち、社会保障、福祉、医療などすべての面から破壊され、賃金のきりさげと失業の増大とともに労働者の生活の先行き不安を増幅させているなか、労働者の未来展望をどうあきらかにするのかが深刻に求められている。
『変貌する現代資本主義とその歴史的運命』(仮訳版)の学習会では、日本資本主義の歴史と現状について科学的な分析とそれをもとにして日本における社会主義の具体的なイメージと展望をしめすことが重要な課題であり、それを現場労働者がせつじつに求めていることがあきらかにされた。
資本の海外進出につれて、現場労働者の視野もひろがっている。仕事を通じた海外との交流や商取引を通じて海外の事情が現場に伝わり、世界の労働者が共通の資本と対立している状況や、シアトルや韓国において労働者・人民がIMF・世界銀行など帝国主義がすすめる資本のグローバル化とWTOに反対してたたかっている状況について職場の労働者の関心が高まっている。
地域においても、上関原発反対闘争やアフガン侵略戦争の背景と問題、日本帝国主義が「テロ反対」を口実に世界における日本の権益をまもるために公然と自衛隊の海外派兵を強行した問題など、職場の問題を基礎に政治情勢の討議をすすめている。こうした会の討議は毎回議事録にして蓄積されている。今後の大きな課題は、会員のいる職場の状況を毎月集中して新聞形式で職場の労働者にかえし、宣伝と組織活動をすすめ、それを基礎に『労働通信』の読者を拡大し、労働組合の階級的強化をめざすことである。