『労働通信』2002年3月号


 既存の労働組合の運動がなかなか進展しないなかで、あたらしいかたちの労働組合が生まれてきている。管理職ユニオンは一九九四年東京で、一九九六年名古屋で、そして一九九七年に大阪で結成された。当初、管理職ユニオン・関西は、東京管理職ユニオン関西支部として発足したが、九八年に独立した。
 今回は、管理職ユニオン・関西の書記次長である大浜和明さんにインタビューした。


――いま、組合員の方は何名おられるのですか?

 概算で、正規の組合員が三〇〇名、賛助組合員が一〇〇名の合計四〇〇名です。

――管理職ユニオンが結成された経過はどんなものだったのですか?

 管理職は無防備です。労働者であれば労働組合にはいれ、一定のガードができるのですが、課長とか係長とかは規約上組合にはいれない。だから「おまえもう辞めや」といわれたらおろおろとするようです。

 管理職は労働組合にはいることができないというへんな常識があったのですが、管理職受難の時代にはいって、管理職を独自に労働組合に組織して労働条件をたたかいとるために、東京で最初に管理職ユニオンが結成されました。

 関西では、当初一五〜一六人で東京管理職ユニオン関西支部としてたちあげました。これが五年前でした。はじめは東京管理職ユニオンから援助をいただいていましたが九八年に独立しました。今年は五周年なので、記念企画をどうしていこうかと論議をはじめたところです。

――小泉内閣がでてきて一年ちかくになり、これまで構造改革とか規制緩和といわれていますが、リストラで具体的に組合員の人たちにどんな攻撃がやられてきていますか?

 ありとあらゆる攻撃がありますが、いちばんおおい特徴は、即刻解雇ではなくて精神的に追いつめて退職届を書かせるというやり方だと思います。

――かたちは、自分でやめたということにするのですね。

 そうです。そのうちのほんの一部分の人が、退職届を書いている途中か、書いてしまってから管理職ユニオンへ「本意ではなかった」としてこられます。すこし考えてみたらどうも納得ができないということですね。

 労働基準法では、労働条件も退職も、対等の立場で話しあわなければならないと書いてありますが、みんな会社人間なのでこういうことにうといのです。

 たとえば、退職届は書かない、「退職届よさようなら」、「解雇通知よこんにちは」ということをすすめ、マニュアル化しています。

 やめなければならないと思いこませる攻撃として、いろんなパターンがあります。たとえば「会社の経営がくるしい、年輩のあなたからやめてほしい」といったものがあります。また「あなたはもう役に立たない、邪魔だ」と思いこませるように小さい失敗を攻撃して追いこんでいくこともあります。

 いちばんひどいのは「泥棒をした、レジのお金を盗んだ」と犯罪をでっちあげて懲戒解雇にすることもあります。

 これらの人たちはおおくの場合、たたかった経験がないので泣き寝入りになってしまいます。

 退職届を撤回させるのはひじょうにむずかしいです。しかし、会社によってむりやり追いこんだ場合は、解雇予告手当(三〇日分以上の賃金相当額)の支給を交渉することもできるし、退職届けを書いたのは「錯誤」であったことを本人に立証してもらい、たたかいをすすめることもあります。

 いま特徴的なのは人格的な攻撃をするのが増えてきていることです。まわりに相談する人がいなかったり、家族に相談できない場合がおおいようです。陰湿な例が増えてきています。

――「春闘」という時期ですが、リストラ・構造改革のもとで管理職ユニオンとして「春闘」をどうたたかおうとしているのですか?

 「春闘」という位置づけはしていません。通年、闘争状態です。個人問題をあつかうわけですから、千差万別です。一番問題が発生するのは年末です。そのつぎが年度末です。これからいそがしくなります。さいきんの段階では松下電器が「希望退職」を募集しました。あれ以降、「松下でもああなんやから、小さいところはなにをしてもかまへん、やめてもらうのが当然や」という風潮がはびこっている。これまでなら、たとえ首を切るにしても「あんたらわるいなあ」「首だけは切りたくない」という気持ちもあったが、いまは「どこがわるいねん」「お前らやめてあたりまえや」というような風潮になってきています。

――大単産はリストラにたいしてほとんど機能していませんが……。

 機能していないし、機能していないから管理職ユニオンに来るのです。小泉の「痛みをともなう改革」とはどういうものかということです。

――組織の拡大はどうしているのですか?

 ホームページでアクセスする人がおおくなってきています。一日一〇〇件アクセスがあり、この影響が一番大きい。

 あと、マスコミの取材。マスコミはたえずトレンディーなものを追求しています。この新聞を見て相談に来る場合があります。それに年二回「リストラ・サバイバル講座」のビラ宣伝をします。複数媒体を通じて宣伝をしています。

 わたしたちのスタイルは、「自分で決めてください」ということ。自己決定・自己責任というスタイルです。労働組合から「いうことを聞け」「こういうふうにせい」ということはしません。すこし経験と知恵と力があるので「あなたの決定をサポートしますよ」「最終決定はあなたです」「労働組合だからほかの人も援助してください」ということです。ふるい労働組合からすれば「集会に何人動員」ということでしたが、そういう力はありません。自分のスタイルでたたかいをつくるようにしています。「はいれ、はいれ」ともいいません。

――今までの既成概念とはかなりちがうようですが。

 かなりちがうでしょう。

――自分で考えて自分で行動するということは、ひじょうにたいせつなことだと思うのですが。

 ある意味では自発性ですね。内因が決定するということです。基本的に依拠すべきものはなになのか。本人がたたかおうという意志なのか、はねかえそうという気持ちなのか、こういうものに依拠しないといけません。

――どうも、ありがとうございました。

管理職ユニオン・関西
ホームページ
http://www.mu-kansai.org/
TEL 06-6881-0781

 

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