『労働通信』2002年5月号
韓国では「構造改革」にたいし、二月末のゼネストなど、労働者の力づよい反対運動が展開されている。
金大中政権の「構造改革」は、電力会社など公共企業を財閥・米日資本に売り渡し「社会の負担で私的利益を」提供するものである。組合員たちは、企業内の雇用維持などではなく、この寄生虫的政策への反対を中心にかかげ、たたかっている。とりわけ電力労働者は、ほぼスト参加者全員にたいする首切りどう喝、権力による大規模弾圧、マスコミの悪宣伝にかかわらず、一カ月以上にわたって隊列を堅持しストをたたかいぬいた。またこれは「散開闘争」というネット時代のあたらしい戦術をうみだした。
四月二日の第二次ゼネストは、民主労総指導部の妥協により回避され、一時的な混乱が生まれた。しかし同指導部は迅速に自己批判し、本記事編集の時点では、闘争態勢の再整理がすすみつつあるようだ。
| 89年 | 韓国電力公社株式の民間放出開始。九四年までに二一%放出 |
| 97-98年 | アジア金融危機 世界銀行とIMF、公共企業体の民営化などを要求。以後、韓国政府は外圧を積極的に利用 |
| 99年 | 韓国政府、「電気事業再編成基本計画」を策定、発電・配電部門子会社化を可能とする法案作成 |
| 00年11月 | 同法案の情勢緊迫 電力労組、戦後はじめてのストを計画 |
| 00年12月 | 中央労働委員会の調停。スト回避 同法案通過 |
| 01年4月2日 | 産業資源省、発電部門を六つの子会社に分割。〇二年二月からの子会社順次民営化を計画 |
| 01年7月 | 発電産業労組結成、民主労総に加盟 |
| 02年2月25日 | 発電労組、ガス公社、鉄道庁の三労組など、「解放以後、最も威力的なゼネスト」に突入 |
| 2月26日 | 民主労総、連帯ストを指令。一〇万人以上が突入 |
| 2月25、27日 | ガス鉄道で交渉妥結 |
| 2月28日 | 発電会社、業務復帰命令。労働者はほとんど復帰せず |
| 3月2日 | 発電会社、五二人の懲戒解雇発表 |
| 3月3日 | 検察、二四人を手配 |
| 3月4日 | 政府・発電会社と新聞各紙、このころから「職場復帰者の増加」=スト態勢崩壊近しを宣伝 |
| 3月5日 | 早朝、警察が一万カ所以上に一斉捜索、情報通信倫理委員会に発電労組のホームページへの閉鎖命令を要請する。 ガス労組、韓国労総を脱退、民主労総に加入 |
| 3月8日 | 中央労働委員会、仲裁裁定案。分割、譲渡などに際し、六〇日前に組合に通報して協議、など |
| 3月10日 | 発電労組、警察の追跡振り切り全国五カ所で「電撃集会」 |
| 3月18日 | 支配階級に動揺広がる。与野党議員二六人、「発電産業正常化のための勧告案」に共同署名 |
| 3月20日 | 政府と発電会社、この日までに六四八人を告訴 |
| 3月25日 | 発電会社、三〇〇〇人以上に解雇通告 発電労組、延世大学に結集、復帰拒否を決議 |
| 3月26日 | 民主労総臨時代議員大会、4月2日からのゼネストを決定 |
| 3月29日 | 鉄道労組とガス労組、再ストライキを表明 |
| 3月31日 | この日までに金属・自動車・公共・全教組・化学・病院・タクシー・貨物など四一六事業場一八万五〇〇〇人以上がストライキを決議。政府、電力の「業務復帰妨害者」やスト参加者への処罰をどう喝 |
| 4月2日 | 民主労総と政府、ゼネスト突入の一〇分前、暫定合意(三月八日の中労委仲裁の尊重、スト参加者懲戒の「適正」な解決、など)。ゼネスト回避 4月3日 発電労組、スト終結、業務復帰を指令。 合意内容に対し批判続出。民主労総、暫定合意を破棄 |
| 4月4日 | 民主労総常任執行委、組合員への謝罪文発表。暫定合意や組合員の闘争力量への「信頼不足」を自己批判 |