集 小泉内閣の1年2ヶ月を診断する

『労働通信』2002年7月号

東淀川 亀吉

 小泉内閣は、もうあまり先が長くないようです。

 去年のちょうどいまごろ、鳴り物いりで登場したのが自民党最後の切り札、小泉純一郎でした。歯に衣着せぬ発言とヒットラーばりの絶叫、そして「構造改革」をとなえ、「自民党をぶっつぶす」とまでいいきりましたね。

 おおくの国民はいままでにない「政治家」のタイプにとまどいながらも、景気の低迷、政治腐敗の進行、閉塞(へいそく)状態の生活をどこかから突破してくれるものだと思いました。いままででは考えられないような支持率がそれを物語っていました。わずか一年前の話です。

 でもたった一年でどうなったでしょう? いま世間では「小泉はもうおわり」が定説になっています。

本音がでた小泉さん

 ことのつまずきは、やはり田中真紀子外務大臣の解任でしょう。エリート意識をむさぼり、そのくせ外交に関しては音痴の集団であり、裏金づくりに必死になっている外務省(ある人は害務省とも呼んでいる)を、真紀子大臣はそれなりになんとか「改革」しようとしましたが、玉砕。このとき盟友である小泉さんは、田中さんを見殺しにして解任。外務官僚を助けました。

 つぎに鈴木宗男問題。かれは自民党をやめましたが、国会議員として居直りつづけました。自民党総裁でもある小泉さんは、「おい鈴木、もう議員やめんかい」というべきでした。ところが記者会見でもまるで他人事。「なんだ汚職議員ひとりやめさせることができないのか」というのがちまたの声です。

庶民いじめの構造改革

 そして、あらわになったのが構造改革。道路公団の民営化といっても、料金の徴収業務などおいしいところだけを民間資本に利権を提供するもの。

 健康保険の改革では「三方一両損」などとうまくいっていましたが、高知県の橋本知事などは「サラリーマンは保険料をひきあげられ、窓口での負担はふえる。三方一両損ではなく、患者二両、医者一両の損で、政府が損をしないのはおかしい」と健康保険法改悪反対をぶちあげました。

 郵政民営化では小泉さんは「民営化で郵便も宅配も料金が安くなりサービスがよくなる」と宣伝しましたが、「公社化は民営化への第一歩」と本音を漏らしたとたん、郵政族のドン・野中広務先生と大バトル。そしてついに小泉さんは「郵政民営化の本丸は郵便貯金」と口をすべらせました。

 小泉さんはつねに族議員を「抵抗勢力」としてきました。しかし彼自身が銀行族、宅配族です。ある銀行の偉いさんは毎月小泉後援会に五万円支払っていました。ヤマト運輸の労組は小泉の選挙を応援したこともあります。

 ちまたでは、労働現場でも「構造改革」さえいえば、リストラだろうが首切りだろうが職場閉鎖だろうが、なんでもできる状況になっています。まさに小泉内閣は罪深い存在です。もうそれほど延命するとは思えないが、やはりこういうたぐいはたおさないかぎり、たおれません。しっかり小泉内閣に引導をわたすような行動をおこしていこう。

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