労働通信2002年7月号

私の働く会社(運送業)の今期の決算は、前年度につづいて二年連続赤字となっている。
今期の売上は、前年度と比較して、四〇〇〇万円減っている。とりわけ、電気通信機器などの輸送・梱包作業量が大幅に減っている。一般荷輸送も減少し、単価の切り下げもあいついでいる。
宅配業種での輸送単価は、バブル期の半値以下に下落しており、物流業界での運賃のきりさげ、値崩れはすさまじいものとなっている。
輸送量が減少し、単価が切り下げられていくなかで、労働者の給与体系そのものが破壊されるなど、賃金のリストラがあいついでいる。日通系列の小会社は、長距離手当の廃止、あるいは下請への委託化によって、月収が二〇〜三〇万円もさがるところ(佐賀)、日通からの請負でペリカン便の仕事をはじめるために、歩合給に給与体系が変更され、それによって月収が五〜七万円賃下げになる(熊本)ところなど、大幅な賃下げが実施されはじめている。
ある地場大手(大分)の運送会社は、九州のいくつかの営業所を廃止し、臨時社員をつぎつぎと解雇している。
佐賀県のある地場中小・大手の会社は、春闘で労組にたいして「人員整理をするから組合側から名簿を提出してくれ」との申し入れを出し、労組がそれを拒否すると、つぎにはそれを根拠にワークシェアリングと称して賃金の切り下げを労組の合意のもとで実施している。
私の働く会社も今春闘では、会社側は経営について「来期は三〇〇〇万円支出がふえる」「底がみえない」「万策つきた」というだけで、来季の経営方針を明確にしない。労組が「会社のたてなおしの方針を明確にすべきだ」ともとめても、それを拒否し、「業績のわるいところは閉鎖する」「営業所別に格差をつける」など、危機感をあおるだけあおり、労働者を分断し、労組を弱体化させ、賃金の切り下げをもくろんでいる。
春闘は、賃上げゼロ、夏季一時金は前年比四万円ダウンの二次有額回答(四月二三日)から交渉がまったく前進しなかった。会社側は、「振り替え休日を認めるならば賃金の上乗せもある」といい、労組が条件付きで検討しはじめると、今度は「振り替え休日、代休などは就業規則で決まったことだから、できれば労組の理解を得て実施したい。よって賃金の上積みとは関係がない」などといって、労組は会社の経営状態を理解して協力するのが当然という態度をとり、あくまでも賃金の抑制と切り下げをもくろんでいる。
労組は、「振休、代休の実施については同意できない。会社側が会社の現状とたてなおしについて直接、全従業員に説明し、協力を要請すべきではないか」と追求してきたが、会社側はそれを拒否し、「生き残っていくには労使の協力関係が必要だ」などと、労組を労働者支配の道具として使うことをねらっている。
小泉の構造改革、規制緩和、痛みをともなう行財政改革は、われわれの職場末端では、生活破たん者が出ても当然という大幅な賃下げ、労働条件の切り下げ、くびきりリストラとして現れはじめている。