労基法のイロハ−知らない、無視しうる経営者が増える

『労働通信』2002年9月号


 「構造改革」の名のもと、あらゆる職場でリストラ「合理化」や賃金の切り下げ、解雇、倒産などがあいつぐなか、「労働通信」のホームページにもときどき、職場での労働問題をどう解決したらいいのかを相談するメールがはいってきている。

 相談メールの件数としては、二〇〇〇年八月にホームページを開設し、同年一一月にはじめての相談メールがよせられたのを皮切りに、今年の八月初旬までで三七件となっている。男女の比率では、およそ三分の一が女性で、労働組合がない職場の労働者からの相談がおよそ八割程度をしめている。在日外国人労働者からの相談もあった。

 労働相談メールでのワースト四位はつぎのようなものである。

 相談件数全体がそれほどおおいわけではないので、これがそのまま世の中の労働問題のすうせいを反映しているとはいえないだろう。だが、この相談内容をみて一つの特徴といえるのは、経営者が労働基準法のイロハも知らず、あるいは意識的に無視して、でたらめな仕打ちを労働者にあたえていることである。その例をテーマ別にあげてみよう。

労働時間関係

転職・退職時のいやがらせ

損害賠償請求

賃金関係

 これらの相談内容をみると、全体としてさいきんの経営者の質が低下してきていることを感じざるをえない。雪印にひきつづく日本ハムの不祥事もおなじことで、それだけ、資本主義が生産力を発展させ、世の中を発展させる力を衰退させてきているということがいえるだろう。

 それだけに、労働者のがわも、労働基準法など自分たちの権利をまもる知識を身につけ、労働組合がない職場では労働組合を結成し、労働組合がある職場ではその力を強化し、労働者自身のちからをもっと大きくしていくことがせつじつにもとめられている。

 「労働通信」編集委員会では、メールでよせられた労働相談には可能なかぎり、おこたえするようにしている。有効なアドバイスができない場合もおおいが、なかには相談者の方自身が、編集部のアドバイスを参考にしながら、自分自身の力で会社側の不当な攻撃をうちやぶり、問題を解決したケースもうまれている。編集部では、そうしたケースをホームページの「職場と労働法相談コーナー」に掲載し、おなじような問題に悩む方方への参考として情報提供している。

 また労働相談メールとはべつに、「労働通信」ホームページの電子掲示板「労働運動・労働問題ネット討論会」にも、ときどき労働相談の投稿がよせられている。これにたいしては、ネット討論の参加者のみなさんからさまざまなアドバイスがよせられている。そのなかで、社会保険労務士の方から、未払い賃金の請求書や労基署への「申告」などの文書の例文が提供されている。編集部ではその内容をまとめて、「困ったときに役立つ文例集」としてホームページに掲載している。

 これらのページが、労働運動を下積みの労働者のなかから発展させる要素の一つとなれば幸いである。

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