集 労組のあり方が問われる03春闘

会社への怒り以上に政府への怒りつのる

電機産業労働者
丸井 正人

『労働通信』2003年3月号

 今年は、例年になく寒い日が続いていますが、労働者の生活と暮らしも厳しい冬の時代になり、明るくなるきざしがまったくみえない状況です。たとえ業績があがったとしても給料に反映するとはかぎっていません。たとえば、トヨタは史上最高の利益をだしながらも組合は、ベースアップはしない要求であり、利益のすくない会社は、賃上げどころか賃下げであり、ワークシェアリング・雇用確保と称した巧妙な賃金カットなど、あらゆる産業で労働者を苦しめています。

 私の職場も例外ではなく、昨年から賃下げがやられ、組合は、今年もベースアップは要求する状況ではないといい、雇用第一だとして会社の提案をすべて受け入れようとしています。
 そしてこともあろうか、年金制度が崩壊すると称して、将来的には、厚生年金の報酬比例部分を廃止し、国民年金のみにする、そのための提案をこの春闘でやろうとしています。

 いま国民年金が一三万円ぐらいに比例報酬部分をくわえて毎月の年金給付が約二三万円となっているのを、私の会社の労働組合は二〇〇五年からは国民年金を一七万円に引き上げ比例報酬部分を引き下げていこうとしています。そして最終的には一七万円のみとし、それ以上欲しい人は自分でつみたてろということです。そのための財源は、消費税を一〇%に引き上げることを提案しています。これは労働組合の機能を完全に失っており、かれらの無能ぶりをさらけだしています。職場集会でも労組幹部自身が「この二〜三年、労働組合の求心力がなくなっている」といわざるをえない状況であり、「だからこそ今年はその存在価値をしめすために、がんばらなくてはならない」と発言しています。

 このような状況で、労働者は「この先どうなるのかまったくわからん。よくなることはない。ますます悪くなるだけだ。とくにわかい者がかわいそうや。この先年金なんかあてにできなくなる」、「政府や町村の金の使い道がおかしいから財源がなくなるんだ。無駄な公共事業やたくさんの特殊法人をつくり、官僚を天下りさして無駄な金をつかっている」等々、会社にたいする怒りもあるが、それ以上にこの間の政府のすすめる構造改革に怒りを強めています。

 労働者の上にかぶさる苦難をどうとりのぞくのか。それは今すぐ解決できるものではないですが、永久に解決されないものではありません。いまの時代は労働者はじめ多数の人人にとってはきびしいつらいものですが、しかし時代は社会進歩の方にすすんでいると思います。この経験は必ず生きてくるはずです。

 おおくの人人にとって、低賃金や失業・首切り等不安定な生活が日増しにつよまっています。そしてこの社会にたいする怒りをあらわにしており、生活の安定と将来の展望を求めています。

 いま賃金をどれだけ獲得するとか、ボーナスをどれだけとるとかはあまり期待できるものではないし、むしろいまの水準が保てるのかどうかというところです。したがって目先の賃金獲得も大事なことではあるが、労働者の本音をつかみ、ともに行動できることからはじめることが重要ではないかと思います。「パンと平和のために」具体的に行動を起こせるような実践を積み重ねることです。

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