「労働通信」2004年3月号
| この記事は、「労働通信」ホームページに掲載されている『売上が上がったのに利益を増加させたデパートのからくり』(本誌二〇〇一年七月号の記事)を読んだ労働者からいただいたメールの内容です。ご本人の承諾を得て誌面に掲載させていただきました。 |
はじめまして。兵庫県在住の加島あき(現在二九歳・仮名)です。
「売り上げが減ったのに利益を大幅に増加させたデパートのからくり」(『労働通信』二〇〇一年七月号)というタイトルの記事をホームページで読ませていただきました。
私も昨年、関西の某老舗の百貨店でパートをしていたのですが、やはりそれと似たような状況でした。
以下の文章は私の体験談です。
私が入社したのは昨年の七月でしたが、いそがしい時期であるということで店側の研修も十分ではありませんでした。
ロッカーも「試験に受からないともらえない(試験については後述する)」とか、レジをうつ前に機械にとおす「販売員カード(かならず個人名がはいっていて一人一人にくばられる)」も一カ月以上もくばられず、本来は禁止されているはずであるほかの人のカードを借用するというものでした。
同期ではいった人が「お客様とケンカした」だけの理由で二週間つとめただけで首になりました。それをみて以来、私は接客がこわくなってしまいました。でも、まわりの人からは、「普通にしていれば何とかなる」くらいしかアドバイスしてもらえず、百貨店側のアドバイスも「応対がていねいでよいが、表情を顔にださないように」とか、「店内の設備もすこしずつおぼえた方がよい」くらいのことしかいわれず、途方にくれつつ仕事をしていました。その後、九月なかばごろから、帰宅するとすぐに具合がわるくなり寝込むことがおおくなりました。また、売り場では「売り上げがおちているから、誰かを解雇する」といううわさがながれだしました。私がかよっていた百貨店では試験があり、それにおちたら首とか根も葉もないうわさがながれはじめました。だから、その試験のコピーがまわってきたりして、準備はしていましたが、全部業務に関係のない店長の名前とかばかりで、だんだんいやになりました。まるで学生みたいで「バカみたい」という感じでした。そんなことより接客教育とか、もっとすることがあるでしょうが! と思っていました。
ある日ついに、「あなたは動きがとろい、もう三カ月たつのだから若いのだし一〇年選手の私に追いつき追いこさないと!」などと先輩の社員さんからあおられました。たぶん、これが引き金になったのだと思います。
九月おわりごろには、ついに通勤電車にのっていて、会社のもよりの駅がちかづくと真綿で自分の首を絞められたように苦しくなり、同時に目まいがして車内で「たすけて!」とさけびましたが、誰からもたすけてもらえませんでした。私は、職場の守衛室で休憩して、そのまま出社せずに早退して、内科にかかりました。しかし、病院では「風邪」としかいわれませんでした。その日は、夕方には回復しましたが、翌日は休みだったにもかかわらず、回復せず主人や家族に相談したところ「会社のせいではないか」とのことで、とうとう退職を決意しました。
結局、体調不良のため診断書を提出し退職しましたが、これではリストラと同然ではないでしょうか? その後も二週間くらい通院し、翌月には回復したのでしばらくは登録制のアルバイトをしながら就職活動をし、最近ようやく別なアルバイトが決まり、ほっとしています。でも、今もその百貨店の建物の前を通るのが怖いです。独身時代からその百貨店の雰囲気が好きで、よくそこにいっていて、その百貨店のカードの会員にまでなっていただけにすごくショックでした。
そしてその後、登録制バイト会社から派遣されて、その百貨店の配送センターでお歳暮のアルバイトをしましたが、ミスをしたものがいたというだけで、そこの現場は出入り禁止になってしまい、またおなじような被害にあってしまったと思うと怒りがこみあげてなりません。現場では、私の顔をおぼえていただき、よくしてもらっただけに「臭いものには蓋」のような態度をされて余計にショックでした。せっかく過去のいやな思い出が消えるかと思ったのに……。そこでは、もう絶対に買い物しません!
だいたい、百貨店がはじめての人を研修もなく勤務させることって何かおかしいのでは? とずっと疑問を感じていました。そのような自己中心主義的な態度には、今でも怒りを感じ、そこの広告をみるたびに腹をたてています。売り上げにばかりこだわって、会社の財産である販売員を大事にしない百貨店はいい接客なんてできませんよね。社内のわるい雰囲気が絶対に接客態度にでてくるような気がします。昨日もそこの某支店の店内をとおりかかったのですが、店員のなれなれしい態度に買う気が失せました。
もう思い出したくないいやな経験ですが、記事を読んで自分の経験とだぶる部分があったのでメールさせていただきました。私の主人にもその記事をみせたら「ひどいなぁ」とおどろき、あきれていました。
百貨店といえば、「そこにいくのが楽しい」ところでなくてはいけないとずっと思っていたのに、こんな話を聞いたら足がとおのくのは当然ですよね。百貨店の売り上げがおちていると報道されていますが、それは当然の結果でしょう。
おなじ百貨店でも「そごう」はすこしちがいます。「そごう」の内村社長が昨年の一二月の新聞記事(『産経新聞』の経済欄)で「百貨店は楽しいところでなくては」といっています。当然、こちらの方が正論ですし、社員もやる気がでて、店内にも活気がよみがえると思うのですが……。 こういう百貨店が増えるといいですね!!!
長文で失礼しました。これからもよろしくお願いいたします。この国のすべての労働者が幸せになれますように!