
「労働通信」2004年3月号
| 学校給食の民間委託は、自治体「合理化」のもとでも大きな焦点の一つとなっている。今回は給食の民間委託強行とたたかっている千葉県の柏現業労働組合の鈴木昇委員長にたたかいの経過や課題などをお聞きした。 |
――まず、柏現業労働組合の概要を教えてください。
柏市関連の現業職員で構成されおり、臨時職員も入っています。組合員数は約三三〇人で、清掃職場や、学校(給食調理員、用務員)職場が中心です。その他、保育園、道路、斎場などの職場もあります。
――給食の民間委託はどのような形でやられてきましたか。
二〇〇二年四月、市は柏現業労働組合と労使協議中にもかかわらず、組合との交渉を 一方的に打ち切り、小学校給食の民間委託を強行しました。「民間への業務委託は管理運営事項であり、組合との団体交渉事項ではない」というのが市当局の主張でした。市内小学校三四校の給食を現在の自校直営方式から年に数校ずつ民間委託していくという計画です。
――その背景には、どんなことがあるのでしょうか。
柏市は東京のベッドタウンで、人口三三万人程度です。市当局が、民間委託を強行してきた背景として、一つは市の財政状況の悪化です。悪化の原因は、大型開発事業(常磐新線開設による柏市の北部開発など)に市の予算をつかったことや、不景気で法人税、所得税が減ってきたことがあげられます。
もう一つが、行革推進です。市の行革推進委員会の提言を受けて、市が具体的に動きだしたということです。千葉県内のほとんどの市町村は民間委託化されています。地労委に訴えたのは柏現業労組ぐらいです。
――給食労働者の思いは、どんなものだったでしょうか。
給食調理員たちは子供たちのために「おいしい給食を」と、精一杯やってきたのに教育委員会に裏切られた気分だといっています。
――今回の民間委託化にたいして組合はどのような取り組みをされましたか。
千葉県地方労働委員会への不当労働行為の救済申立をしました。また、柏現業労組内に闘争委員会を立ち上げて、市役所前における宣伝活動をおこないました。また、民間委託を強行された学校周辺へのビラ配布や署名活動をおこない、組合全体でたたかってきました。
そして今年一月に出された地労委の「命令」は、市は@労働条件に関する団体交渉に応ずること、A不誠実団交であったことの謝罪文を提出すること、というものでした。市側の主張をほぼ排除する「命令」でした。
――今回の教訓は何でしょうか。
民間委託化については、組合としては、以前から予想しており、たたかう準備をしていました。「たたかうことによって状況が変わる」ことを、一般の組合員は考えてもらいたいと思います。
――今後の課題は何でしょうか。
地労委闘争はいい結果に終わりましたが、それですべてが解決したわけではありません。現業労働者がいるかぎり、たたかいは続くし、たたかわなければ、現業労働者はあっという間になくなります。したがって、たたかいは長期化が予想されます。これからは、組合員一人一人の団結力と、権利をはっきりと主張することが重要になると思います。