『変貌する現代資本主義とその歴史的運命』
近日出版!

出版の御案内その1 2003/11/30

 『労働通信』編集委員会は近日、『変貌する現代資本主義とその歴史的運命』(A5判、320ページ、予価3000円)を出版します。

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〔主編者・施鳳江教授からのメッセージ(日本語版への序文)〕

 この本は、中国の天津大学出版社から出版された施鳳江、王新農主編『マルクス主義の経済理論と現代資本主義』(中国語原文名『馬克思主義経済理論与当代資本主義』)を底本として、土肥民雄氏が翻訳しました。

 この出版の目的は、こんにちの情勢のもとで労働運動を発展させるためには、グローバル化やIT化など急速に変貌する現代資本主義を分析することが不可欠であり、そのための一助としてこの本を役立てることにあります。

 日本語への序文のなかで、この本の主編者である施鳳江氏は、戦後、現代資本主義が科学技術の発展のもとで生産関係にたいして「いくらかの調整」をはかった結果、一定の経済成長を達成したもとで、つぎのような課題が生まれたと指摘しています。

 現代のあたらしい科学技術革命という条件のもとで、資本主義経済の運営にどのような特徴が存在しているのか? 

 現代資本主義諸国の労働者階級の状況をどう評価すべきか?

 現代資本主義の発展の歴史的すう勢はどうなるのか?

 労働者階級は現代資本主義という歴史的条件のもとでいかにして自分自身の歴史的使命をはたすのか? 

 これにたいして、マルクス主義の立場・観点と方法によって回答をあたえようというのが本書の狙いです。

 具体的には、本書の内容はおおよそ、つぎのようなものです。

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 まず第1章では、第2次世界大戦後、世界資本主義が生き残り、成長を図るために、資本主義が許す範囲でみずからの経済関係に一定の「調整」をはかったこと、とりわけ国家による経済への関与をつよめたことをのべています。

 第2章では、戦後のいわゆる「第3次科学技術革命」が社会的生産力の巨大な発展を促し、国家独占資本主義の発展をより速めたことを指摘し、情報技術やバイオテクノロジーをはじめとする科学技術と資本主義との関係についてコンパクトにまとめています。

 第3章は、資本主義の所有制関係の変貌と株式会社を中心とした資本主義の企業組織・経営のあり方の変化について詳細に分析しています。

 第4章では、資本主義のもとでの市場の役割と、マクロ経済政策・ミクロ経済政策をつうじて、国家が資本主義の経済運営にどのようにかかわっているかをあきらかにしています。

 第5章は、現代資本主義社会の経済政策の背景にあるケインズ主義、新自由主義、新制度学派などの経済思想の歴史的な流れをまとめるとともに、アメリカ、日本、ドイツ、フランスなどの各国の経済政策の特徴をあきらかにしています。

 第6章は、社会福祉、社会保障、税制などをつうじておこなわれている現代資本主義の所得再配分の仕組みとその特徴、本質をあきらかにしています。

 第7章は、グローバル化のもとでの先進資本主義国間の経済関係や南北関係における経済矛盾や闘争についてのべたうえで、あらたな国際経済秩序を確立する必然性をしめしています。

 第8章は、現代資本主義のもとで階級関係がどう変化したのか、戦後の国家がどのように変化し、どのような役割を果たしてきたかを分析しています。

 第9章は、以上の内容の総まとめとして、戦後、資本主義が比較的急速に持続的に成長してきたのはなぜかをあきらかにしたうえで、それにもかかわらず、社会主義が資本主義にとってかわるのは歴史の趨勢であることをあきらかにしています。

 本書の主編者である施鳳江氏は、中国天津大学の教授ですが、西側の経済学者の研究も批判的かつ積極的にとりあげ、経済政策や経済思想、科学技術、企業組織、階級関係、グローバル化など、現代資本主義の分析にとって焦点になっている問題に鋭く切り込んでおり、本書は意欲的な研究となっています。

 乞う御期待!

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2003年12月
『労働通信』編集委員会

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