2000年12月26日
2001年1月29日ホームページ掲載
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ここに紹介する文章は、フィリピン共産党が2000年12月26日に発表した同党結成32周年を記念する論文です。この論文は、エストラーダ崩壊直前にフィリピンの全国情勢を分析したうえで、当面するエストラーダ打倒という短期の課題を、半封建的・半植民地的なフィリピンの社会体制の変革という長期の課題のなかにどう位置づけてたたかうか、エストラーダ打倒後、どのような展望をもって運動を展開するかを明らかにしています。
今後のフィリピン情勢とフィリピンの労働運動、社会運動の動向を読み解くための参考資料として掲載しました。 論文の構成 |
マルクス・レーニン主義、毛沢東思想に理論的にみちびかれたフィリピン共産党再建32周年を祝福するにあたり、われわれはアメリカ−エストラーダ体制に死の一撃をくわえるために広範な人民大衆を動員するとともに、すべての革命勢力を強化し、あらゆる形態の革命的闘争をつよめることを決意している。
第二の偉大な整党運動の成功の結果、われわれは政権を打倒するという短期の目的を実行するとともに、さらに買弁資本と大地主による現体制を転覆し、フィリピン共産党の指導のもとで労働者、農民の人民民主主義体制をうちたてるという長期の目的を促進するという立場にたっている。
われわれは、最近病気でなくなった党中央委員・政治局員・執行委員・南部ルソン地方委員会書記のアルマンド・テン同志と、すべての革命的な殉教者、英雄にたいして最高の賛辞をおくる。そして、全党の幹部および同志、新人民軍(NPA)の赤き司令官と戦士たち、民族民主戦線(NDF)の仲間とすぐる年に勝利の記録をのこした広範な大衆に熱烈な祝福を送る。
われわれは、理論的、政治的、イデオロギー的に党建設の偉大な前進をかちとってきた。すくなくとも100以上のゲリラ戦線において、新人民軍はその隊列をかため、土地改革と大衆活動を実行し、武装闘争ですばらしい勝利をかちとった。われわれは、都市と農村地域の両方で、さまざまなタイプの大衆組織を設立し、大衆運動をあらたなより高い段階へと発展させてきた。
アメリカ−エストラーダ政権は、1998年に成立して以来、外国独占資本に追従することによって、人民にたいする抑圧と搾取をつよめ、封建的・半封建的諸条件と抑制のきかない官僚的腐敗を深化させてきた。アメリカ−エストラーダ政権は、貧しい人人の味方であるかのようなデマによってみずからを美しくよそおってみせたが、実際には人民の敵として破廉恥な行動をとってきた。エストラーダは、傲慢な横柄さをもってフィリピン政府と民族民主戦線との和平交渉をうちきり、革命運動を破壊することを誓った。
現在、かれは堕落と略奪のもっとも恥知らずの犯罪のかどで告発されて、みずからの政治的な生きのこりのために絶望的にたたかっている。広範な人民大衆は、海外の同胞もふくめて、かれの犯罪に激怒し、政権からかれをとりのぞくことをつよく要求している。広範な統一戦線はかれとその派閥を孤立させており、彼を追いだす力をもっている。革命的大衆運動が精力的に押し上げており、アメリカ−エストラーダ政権は政治的な死の苦しみのなかにある。
党は、広範な大衆を動員し、政権にたいして死の一撃をくわえるうえで重大な役割をはたしている。人民は一つの反動政権を歴史のゴミ箱に放り込んでいる最中である。
エストラーダ政権は、腐敗した支配体制の慢性的危機の深まりの産物である。エストラーダのような人物が新植民地主義的な共和国の大統領になったことは、体制の退廃的なそして瀕死の性格のぎらぎら輝く証拠である。かれは帝国主義の強欲と国内の反動勢力の最悪の部分と犯罪シンジケートとを混ぜあわせた存在である。
1997年の金融・経済危機の余波のもとで、エストラーダはみずからを貧しい人々のチャンピオンであると偽善的に売りこみ、アメリカ-ラモス体制の犯罪と失敗を公然と非難することによって、非常におおくの反動的候補者のなかから大統領に選ばれた。だが、任期が始まっていらい、かれは人民にたいして、とくに労働者や農民など、困窮しながら働いている大衆にたいして軽蔑の態度をしめした。かれは、もっとも悪名高いマルコス一派であるエドアルド・コファンコやルシオ・タン、アトン・アンなどの犯罪的なギャングからの後援やつきあいを誇示した。かれは、国際通貨基金(IMF)と世界銀行、世界貿易機関(WTO)などの政策命令を採用し、経済主権と民族が先祖からうけついだ財産を売り払った。かれは、フィリピンの国家の統治権と領土をおかし、上院で一時駐留軍協定(VFA)の批准をめぐって衝突した。かれは、6年間の任期の前半で、下院によって弾劾裁判にかけられ、現在は、贈収賄と腐敗、公衆の信頼の裏切り、1987年憲法違反などの罪状で上院弾劾裁判所の被告席にすわっている。
人民は憤慨し、かれを追放するか、辞職させるために、全国規模の大衆行動をとりくんでいる。組織された勢力の幅広い統一戦線のなかでの一致点は、道義に反し、堕落し、無能力で、抑圧的なエストラーダを権力からとりのぞくということである。
エストラーダとその一派の犯罪性とかれらを打倒することの必要性に焦点をおくことは正しい。しかし、帝国主義の企業や銀行、IMF、世界銀行、WTOなどの国際機関による「自由市場」政策によって、支配体制全体がより搾取的で抑圧的になっているという事実についての見解を、われわれは決して失っていない。これらは、帝国主義による利潤追求と、封建的・半封建的な土地の利殖と、官僚的な腐敗をさらに加速し、悪化させた。これらは、たちまち人民の果敢な抵抗闘争の発展とエストラーダ政権の孤立化という結果をもたらした。「新自由主義」的な政策は、マルコス時代に頂点に達した、汚職と外国への借金にまみれた「ケインズ主義」的政策よりも、いっそう早く新植民地主義の社会体制を破産させた。「新自由主義」的な政策は、金融資本の略奪の流れと、輸入の自由化、国営企業の民営化、民族と労働、環境を犠牲にしての規制緩和などをとおして、社会の半植民地的、半封建的な性格をいっそう深化させた。経済は以前よりも農耕的で半封建的となった。フィリピンの経済は、以前よりも原料資源の輸出と低付加価値の半製品の生産に依存するようになり、貿易赤字と負債の返済のために外国からの借款にたよるようになっている。輸入依存型の半製品の製造業と民間の建設業の推進や、外国の商業借款や投資は金融と経済のシステムを徐々に弱体化させている。どんな製品の輸出よりも、契約労働者の輸出の方が、外国との交易でもっとも貢献している。このことが、多国籍銀行や企業、搾取階級によって急速に餌食となっている。
反動勢力の呪文は、「グローバルに競争」することである。しかし、フィリピン経済には、原料資源と半製品と契約労働者以外に輸出するものはなにもない。いま、これらのものは、世界的な供給過剰と不況にさらされている。男女の労働者の輸出でさえも、世界資本主義体制の不況と過剰生産危機によって、外国での経済的・法的な規制の圧力がますますつよまっている。新植民地主義的な支配体制は、その「新自由主義」的政策とふかまる破産状態のために、基幹産業をおこすようなプロジェクトや土地改革などを実行することを約束することも、そのふりをするさえもできなくなっている。政権は、その『旗艦』プロジェクトとしてギャンブル会社を推進することに消耗させられてきた。政府は、いわゆる自由市場にすべてのものをゆだね、政府が利率を操作する役割を減少させ、人人の税負担を増加させ、社会サービスよりも、金融資本の自由な流れや負債の返済、軍事支出などを優先させてきた。
広範な人民大衆は、強制的に耐貧生活をしいられる一方で、搾取階級は、大邸宅や高層の建物、車、ハイテクの消費物資など、輸入依存型の消費生活のもっとも顕著な形式にひたっている。常用雇用は、企業のリストラや企業閉鎖などによってますます縮小している。公式な統計によれば、労働力のすくなくとも77パーセントが、常用雇用なしの状態におかれている。かれらは、失業者、半失業者、臨時労働者、自営業者などに分類されている。広範な人民大衆の強力な抵抗闘争によって、アメリカ−エストラーダ政権は、民族が先祖からひきついだ財産をまもり、外国の投資を制限することを決めた1987年憲法の条項を削除するための憲法改定を実現することができなかった。しかし、かれらは帝国主義の銀行と企業にもっとも異常な特権をあたえるために、国会をつかった。
あらゆるタイプのビジネスが、外国独占資本に門戸をひろくあけている。政権と石油独占はしばしば石油価格をひきあげるために結託し、その結果として、あらゆる生活必需品やサービスの価格が値上がりしている。インフレーションは、負債の返済と赤字の支出、輸入と腐敗、さらに国内生産の破壊の結果うまれた生活必需品の不足などによってひきおこされている。自由貿易のスローガンのもとで、買弁資本は輸入と、砂糖、コメ、穀物、植物油などの輸出などによって利益をあげているが、輸入の側では農民や国内製造業に従事する労働者の収入をおしさげている。
帝国主義は、アメリカ−エストラーダ政権の奴隷性へのみかえりとして、エストラーダとその一派の官僚的な腐敗や抑圧にたいして寛容な態度をとってきた。しかし、あやつり人形は、赤字支出の上限をくりかえし超えることによってIMFと衝突し、政府支出の44%にも匹敵する極端な贈収賄や腐敗などで世界銀行とも衝突した。帝国主義は、操り人形をつかって腐敗や派閥などを推進する。しかし、操り人形の指導者の悪臭が極端となり、その「長所」よりも「短所」の方が大きくなると、帝国主義の主人は、あらたな操り人形の指導者を導入する準備にはいる。
国家財政と貿易の赤字は増大している。同時に国際的な信用度は干上がっている。アメリカ-エストラーダ政権の最初の2年の間の利率の縮小は持続不可能であった。国内の借款は急速となり、その結果、インフレーションは暴騰している。国内支配体制の危機は、世界資本主義の過剰生産危機のふかまりと密接につながっている。いま、あらゆるタイプの商品が、世界市場が縮小するにつれて過剰生産となっている。世界市場は、働く人人の賃金や生活条件をひきさげる「新自由主義」政策によって縮小している。
過剰生産危機は、生産や消費のためのハイテクの電機製品でさえも深刻な打撃となっている。このタイプの商品は、アメリカが過去十年間にわたった世界資本主義経済をリードすることを保証し、アメリカに外国投資をひきつけてきた。いま、アメリカの「ニューエコノミー」のバブル(資産価値の過大な評価、雇用破壊による成長、ハイテクの興奮)が破裂し、そのことによりヨーロッパや日本の資本はアメリカからひきあげ、地球的な規模で前例のない金融、経済危機がひきおこされている。フィリピンにおいては、労働者、農民などの勤労大衆と中間層は、大量失業や実収入の低下、インフレ、ペソの価値低下、重税、社会基盤(インフラ)や社会的サービスの崩壊などによってたえがたい苦しみにあえいでいる。上流階級や上層の中間階級でさえ、かれらの輸入に依存した消費のコストがあがっていることに不平をいっている。こうしてかれらは、エストラーダがおおくの妻に豪邸や高級車をあたえることに熱狂していることにあきあきとしている。経済危機は、現在の政治危機の基礎である。
反動勢力内部の矛盾はいっそうはげしくなっている。それは、かれらのあいだで山分けすることができる強奪品が大いに減少しており、しかもエストラーダの一派がこの略奪品を独占する傾向にあるからである。官僚資本主義の主要な受益者は、エストラーダ自身であり、中国系フィリピン人のビジネスマンであるエドアルド・コファンコ、そしてエストラーダの家族である。
エストラーダはつぎのようなやり方で賄賂をとっていた。許認可の発行、国の借款の処分権、反動政府との契約、脱税の大事件、密輸、株式市場の操作、そしてかれが独占する地方開発事業の資金の分配など。かれは、マフィアの帝王のスタイルで、賭博ゲームや、身代金目当ての誘拐事件、アメリカや米軍基地への麻薬のもちこみなどから、もっとも大きい分け前をとっている。エストラーダの個人的な強欲は、このようなものである。このことは、かれの犯罪の『真夜中の内閣』の重要なメンバーの一人が、かれから離れて、犯罪集団の大物の役割を暴露してあきらかとなった。
エストラーダの堕落が、まったく抑制がきかず、あまりに露骨であるために、搾取階級の大部分がかれの道徳的な邪悪を非難し、かれを権力の座からとりのぞくために、幅広い統一戦線にくわわっている。ほとんどすべての経済団体、カトリック、プロテスタント、イスラム教などの聖職者、市民団体、専門職の団体、御用労働組合、そして主要なブルジョア・マスコミはエストラーダの辞任を要求している。カトリックの司教、聖職者、信徒は、エル・シャダイ(カリスマ的なグループ)やイグレシア・ニ・クライストなどの宗教団体がエストラーダを支持していることに抗議して大衆動員をかけている。シン枢機卿や元大統領のアキノやラモス、LAKAS−NUCD、野党連合などはマカパガル・アロヨ副大統領が、エストラーダにとってかわることを精力的に要求している。
その他に反エストラーダの反動勢力として主要なグループは、ホセ・コファンコにひきいられるフィリピン問題評議会(COPA)、前大統領ラモスらによる国民諮問会議(PCA)、南タガログ、マニラ首都圏、中部ルソンの州知事や市長などの団体、キリスト教「社会民主主義」(実際には上流階級のキリスト教民主主義者)によって指導されるKompilUなどの団体がある。
エストラーダを支えているLAMP連合も崩壊の途上にある。LAMPの主要な指導者である、上下両院の議長が反対派に離脱して、エストラーダの辞職を要求した。LAMPに所属していた国会議員もエストラーダを弾劾するために反対派に加わった。LAMPを支持する上院議員は上院での弾劾裁判を阻止することはできなかった。LAMPの最大の構成団体であったLDPは、エストラーダ崩壊のもとでLAMPから完全に離脱することを決定した。LAMPのなかのもっとも忠実なエストラーダ信奉者は、エストラーダ自身の政党であるPMPとエドアルド・コファンコのNPCだけである。これらの政党は、エストラーダの辞任を要求する運動の高まりのなかで孤立している。
エストラーダは、かつてのマルコスがもっていたような、軍隊や警察にたいする強力な統制力をなんらもっていない。武装勢力のなかで、かれのもっとも忠実な信奉者は、大統領組織犯罪対策特別部隊だけである。これはかれの腹心であるパンフィロ・ラクソン将軍がひきいるゲシュタポである。この組織は、莫大な諜報資金をもつ、もっともお気に入りの武装組織である。それは、殺人の限りないライセンスをもっており、犯罪シンジケートのコーディネーターの役割をはたしている。
大統領組織犯罪対策特別部隊のラクソン一派と一般の警察、軍隊とのあいだには分裂がひきおこされている。この問題は、大統領組織犯罪対策特別部隊が警護資金を独占し、諜報予算のかなりの部分をぶんどり、昇進にたいするえこひいきをおこない、軍隊内の昇進にさえラクソンが過度に口出しし、業者との契約での汚職や大統領組織犯罪対策特別部隊以外の一般の軍人、警察官の給料の遅配などをめぐっておこっている。退役軍人連盟(FORCES)および軍隊や警察の現役幹部のいくつかの地下グループが、エストラーダの辞任を要求するために結成された。かれらは、軍隊や警察の現役幹部にたいして、エストラーダへの支持をやめて、人民の集会の自由を尊重するように力説している。ますますおおくの軍隊、警察の幹部がエストラーダやラクソン将軍に反対する立場を表明し、かれらの力をマヒさせる立場をとっている。
バヤン(新民族主義者同盟)は、長期にわたってエストラーダを権力の座からひきづりおろすことをよびかけており、反エストラーダの反動勢力にたいして優位な立場にたっている。それは、民族解放と民主主義の路線をとっている労働者階級、農民、都市小ブルジョアジーの愛国的・進歩的勢力のもっともすぐれた合法的な民主連合である。それは、エストラーダ一派の打倒をよびかける広範な統一戦線のなかで、もっとも意識的で、もっとも戦闘的で、もっともたよりになる勢力である。
バヤンは、KMU(労働者)、COURAGE(公務員)、ガブリエラ(婦人)、アナクバヤン(青年)などの基本大衆のなかで主流となっている各階層別の共闘組織や団体などを包含している。またバヤンは、フィリピン学生連盟(LFS)、憂慮する教師同盟(ACT)、CONTEND(大学教師の組織)、カラパタン(人権組織)、PCPR(教会関係者の組織)やその他の専門職の団体など、都市小ブルジョアジーの組織や、問題別の共闘組織や団体なども包含している。
バヤンは、民族民主路線を堅持する左翼、中間勢力をふくんでいる。幅広い統一戦線のなかでバヤンは、組織されていないか、あるいはイデオロギー的、政治的に中道や右翼的な指導者がひきいる団体、組織などに所属している労働者、農民、中間層とも協力している。幅広い統一戦線は、左翼、中道、反エストラーダの右翼などによって構成されている。それは、エストラーダを政権からとりのぞくという、ただ一点の目的でむすばれたゆるやかな共闘である。
左翼や中道派にとっては、率直にいって反動的ではあるが反エストラーダの立場をとっている右翼勢力と共闘することの方が、左翼を潜称する一部のグループと共闘するよりも容易である。これらのグループは、エストラーダに集中している砲火をそらして、広範な統一戦線の結成をサボタージュしている。
「サンラカス」をはじめとするトロツキスト・グループは、軍隊の心理戦のエキスパートの指示をうけて、「すべて辞任せよ」という路線を推進し、エストラーダをたすけている。「アクバヤン」の場合、一部のリーダーはエストラーダ政権に固執し、他のリーダーはエストラーダの弾劾や辞任を要求している。「サンラカス」と「アクバヤン」は、ともに広範な統一戦線とは反対の方向へと突っ走り、大衆運動から孤立している。
裏切り者は、アメリカ・エストラーダ体制のもとで彼らの政治的な墓地を見つけた。「アクバヤン」とエストラーダ派に忠誠をちかうホラシオ・モラレスやエディシオ・デ・ラ・トーレなどといった悪党は、エストラーダ政権の心理戦の代理人である。かれらは、エストラーダ政権は抑圧的ではなく、崩壊すべきではないといった路線に責任を負っている。
アメリカ・エストラーダ政権は堕落しており、抑圧的である。かれらは、反労働者的な政策をおしつけ、農民や少数民族から土地を奪い、大衆的な抗議行動を弾圧するために、軍隊、警察、準軍事組織、民兵組織などをつかってきた。かれらは、フィリピン共産党の革命的大衆基盤と勢力や、モロ・イスラム解放戦線(MILF)を弾圧するための軍事行動を強化してきた。すぐる年、政府は「オプラン・マカバヤン」などと称して、全国的な規模で革命勢力を弾圧するための大規模な軍事行動に着手した。そのなかでは、毎回3〜4カ所の地域を重点地域としていた。かれらは、MILFの拠点や支配地域への大規模な攻撃をおこなったが、それはキリスト教の排外主義をあおりたて、政府が強大であるかのようにみせかけ、堕落スキャンダルから世論の注意をそらすという無駄な努力によるものであった。
だが、新人民軍は、敵の弱点にたいしては戦術的攻勢をかける一方で、軍事的に優勢にたっている敵の部隊にたいしては巧妙にさけるという、すばらしいゲリラ戦を勝利的に実行した。MILFの軍隊もゲリラ戦の戦術を採用し、おなじように敵にたいする致命的な攻撃をかけている。
軍隊や警察の装備や作戦のための費用が暴騰し、これに官僚的汚職がくわわって、赤字支出は際限ないところまでふくれあがっている。むちゃくちゃな軍事支出と、生命や財産の破壊、すくなくとも100万人以上の人人の強制立ち退きなどは、経済に多大な損害をあたえた。そのため、下級の官僚や警察、軍隊などの一般職員への賃金の遅配が何カ月もつづいた。敵の軍隊、警察、準軍事組織などのメンバーは、エストラーダ政権の汚職、給料の価値の目減り、絶え間なくおこなわれる無駄な反革命軍事作戦、革命勢力側によるかれらの武器の奪取、そして新人民軍とMILFの軍隊の戦術的攻勢によって多大な犠牲をおわされていることなどにより、やる気をなくしてしまっている。
労働者、農民などの勤労大衆、中間層、そして搾取階級の大部分は、権力からエストラーダ一派を追放する方向へとむかっている。帝国主義の主人でさえ、エストラーダ一派が、長生きしすぎであると示唆している。エストラーダ一派には最終判決がくだされてつつある。かれらには、支配体制の危機が深まるなかで、孤立状態からぬけだすいかなる道も残されていない。党に指導される革命勢力と大衆は強大化し、より大きな勝利をかちとる重大な機会をえている。