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労働組合のつくり方――基礎編

 

Aどの ように労働組合結成の準備をすすめるか

 資本家は、労働組合をつくることにはさまざまな妨害をしてくる。

 大手の民間企業の場合は、そのほとんどが課長、係長など職制が委員長や書記長など組合の役員になって労働組合がつくられている。このような労働組合は、会社が音頭をとってつくっているので、基本的に労資協調の御用組合である。

 未組織のおおくの労働者は、そのほとんどが中小・下請、パート、アルバイトなど不安定雇用労働者である。このような層の労働者の組織化は、困難がともなう。なぜなら、資本家は、労働者をよりいっそう搾取するために、できるだけ賃金を低くし、労働時間をながく、またただばたらきのサービス残業をやらせようとする。資本家は、労働者が労働組合をつくって権利にめざめると、よりいっそうの搾取ができなくなるので労働組合ができることに猛烈に反対してくる。

 会社・資本家がやってくることは、労働者のなかで組合づくりの動きを事前につかんで、組合が結成される前につぶすことである。事前の組合つぶしには、労働者的な意識のよわい人人をおどして組合にはいることをあきらめさせてきりくずし、組合づくりの中心メンバー(先進集団)を孤立化させる。資本家は、それだけでは安心できないので、その中心メンバーに配転、出向などをおしつけて、会社をやめるようにしむけていく。そして、労働組合が正式に結成されないうちにつぶしてしまう。

 一般的にいってどこの職場でも、会社のがわにたつ労働者が少数であるがいる。それはその本人の意思と無関係に資本家が、その労働者を賃金や仕事での位置などの面で優遇して手なずけているからである。こうした労働者は、労働者の動向について会社側に情報を提供するようになる。そのほかにも、子どもの病気のときに会社に給料を前借りしたことがあるとか、重役や課長の紹介で会社にはいったとか、人生のしがらみのなかで資本家のがわにやむをえず、たたされているものもいる。資本家は、労働者同士をバラバラに分断し、また労働者のよわい部分につけこんで、労働組合にたいする不信感、敵対心をもたすようにしている。資本の策動にのる労働者は、組織的に資本家とたたかった経験がないこと、また労働者が団結してたたかうことのすばらしさをあじわったことがないこと、などによってそのようになっている。したがって、このことを前提にして組織活動にはいっていく。

 そのためにはまず、労働組合に組織する対象である労働者の経歴やものの考え方、そして家庭環境などを調査し、だれが信頼できるかを十分に討議して、しだいに労働者同士が信頼しあえる関係をつくりあげていくことを基礎にことをすすめなければならない。同時に、この活動の過程で中心メンバーを組織し、この中心メンバーが話しあいをしながらことをはこび、労働組合結成後は核になれるようにする。

 そのつぎに、中心メンバーは、職場の労働者の不平、不満、要求をまとめて、要求書をつくっていく。それと平行して会社に知れないように、組合加盟の団結署名をとっていくようにする。

 要求の内容については、賃金の問題、労働時間の問題、職場環境の問題などにかぎられると考えられる。しかし、労働組合の結成を準備するときの要求は、できるだけおおくの労働者がもっとも中心的に要求している問題にしぼった方がよい。

 ふつう労働組合のないところは、賃金も低く、日給制になっており、労働時間の制限、残業についてもでたらめである。賃金についていえば、賃金制度と賃金の額(他の企業との比較)、一時金、退職金、残業単価、労働災害の補償の問題があり、その他の労働条件では、労働時間と勤務形態、休憩時間の問題、そして労働災害の問題もある。また、小さな問題では、たとえば便所のこと、休憩室や食堂のこと、手洗場の改善のことでもよい、それを整理し、スローガンをつくり、労働者全体の要求をつくる。

 つぎに、法務局へいって、その会社の登記簿謄本をとる。関連会社があれば、すべての関連会社の登記簿謄本をとる。これで取締役、代表者、業務内容をつかみ、同時にダミー会社のこと、下請企業の場合は親会社との関係、また、取引会社との関係もしらべる。

 さらに、土地の所有の内容がわかるすべての登記簿謄本をとる。工場や社長と役員の宅地などもすべてつかんでおけば、闘争のときやくにたつ。また、会社役員と会社の所得もできるかぎり、具体的につかんでおくとよい。このことは、その会社・資本家のカネもうけの手口、手段、脱税や中間マージンのピンはね、会社役員、社長一族などの利益配分について十分につかむためである。そして、組合員にたいして、資本家がどのような方法で利益をあげているか、労働者を搾取してつくった利益をどのようにつかっているかを知らせ、資本家の本性をあばくうえでよい材料になる。これは、資本家・会社にとって脅威であり、また資本蓄積の状況をつかむうえでよいし、組合つぶしを目的にした「偽装倒産」とたたかう場合の、具体的な体制づくりの準備でもある。

*より実践的な組合結成の準備活動については、 「労働組合のつくりかた――実践編」 を参照のこと。

 

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