| 労働組合のつくり方――基礎編 |
すでにあきらかにしたように、労働者階級は、資本家階級の搾取と抑圧によって苦難をおしつけられている。とりわけ労働組合に組織されていない中小・下請労働者は、労働基準法以下の労働条件をしいられ、解雇されても退職金ももらえず、労働災害でいのちをおとすことがあっても、その補償金は支払われず、支払われた場合でも労働基準法以下の補償金であるという、きわめて非人間的なあつかいをうけている。
しかし労働組合をつくってたたかっているおおくの中小企業の労働者は、「団体交渉のなかで自分たちの要求を会社に突きつけ、それについて自分たちの思いをぶちまけることができたことによろこびを感じ、そのときにはじめて資本とたたかったという自覚がもてる」といって感激している。よいことは、それだけではない。労働組合をつうじて労働者同士が話しあい、労働基準法など法律についての知識、階級闘争についての知識を身につけることができること、また、仕事のやり方や子どもの養育、家族のことなど生活上の問題を相談し、たすけあっていける状況がつくりだされていく。
日本の中小企業は、そのほとんどが独占資本・大企業から分社化・下請化されて、資本金や販売ルート、仕事の受注などすべての面で、その支配下におかれている。だから中小資本家は、資本力など経済的基礎がひじょうによわいし、独占資本や大企業の思うままにあやつられている。たとえば、製品は、大企業、独占のユーザー価格によって単価を大幅にかいたたかれ、不況になればさらに単価をきりさげられたり、それに対応できない企業はきりすてられる。中小・下請企業は、そのしわよせを労働者に転嫁している。中小・下請労働者が大企業労働者よりも低い賃金などわるい労働条件がおしつけられているのはそのためである。ひとにぎりの独占資本・大企業は、中小・下請企業をしぼり、そこではたらく労働者を搾取して肥えふとっている。
ここで、はっきりしておかなければならないいま一つことは、独占資本・大企業がよりおおくの利潤(搾取)をあげるためだけでなく、労働者を少数の人数でバラバラにして、労働者の団結力をよわめ、支配するねらいをももって中小・下請企業がつくられているということである。独占資本は、大企業では労働組合をつくらせるが、中小企業ではつくらせないような指導をしている。中小企業で組合をつくるのがむずかしいのは、こうしたことも理由の一つとしてある。だからかりに、個個の中小企業の労働組合がストライキをうったとしても、大企業のところまでその影響はおよばない。独占資本は、そこをねらって中小・下請企業をつくっているのである。
したがって、中小・下請企業の労働者のたたかいは、つぎのような方向と展望をもたなければならない。
中小企業の労働組合は、賃金や賃金制度、労働時間など労働条件の改善のための要求であっても、他の産業、他の企業の労働組合の支援のもとでたたかいすすめることが重要である。中小企業労働組合は、闘争を企業の枠内にとどめて闘争戦術だけをエスカレートさせるべきでなく、産業別、地域別の共闘体制づくりをめざす方向に闘争の展望をもとめなければならない。
こんにち、 100人以下の規模の中小企業ではたらく労働者は、約2500万人おり、パート労働者は約800万人にのぼっているが、このほとんどが未組織であり、この労働者が日本の生産のおもな力になっている。日本の労働組合運動の階級的な発展をかちとるためには、中小・下請、パート労働者の組織化が急務である。この未組織の労働者の組織化がすすみ、この中小労働組合が産業別、地域別の共同闘争を発展させることができるならば、独占資本に脅威をあたえ、独占資本に対決する闘争になっていく。こうしたとき、中小労働者の要求は前進するし、日本の労働組合運動は階級的な前進をとげるであろう。
ここに、中小・下請労働者、パート労働者など不安定雇用労働者の闘争、未組織労働者の組織化の戦略的位置があるということができる。