| 労働組合のつくり方――実践編 |
一般的にいって、以上の五点で合格すれば、あとは旗あげの期日を決定することになります。「準備完了」の判断は、ふつうは経験のある上部団体が決断することになります。
準備会の人数は当然、ケースバイケースですが、旗あげ直前の最終段階であっても、あくまでもかたいなかまにかぎっておいて、「自然的」に膨張させることはいましめます。なぜなら、なんカ月も秘密活動をつづけてきたのに、旗あげの直前まできて会社の察知され先制攻撃をうけ、せっかくの努力をだいなしにされるおそれがあるからです。
準備会の人数は、場合によりけりですが、全労働者一〇〇人程度なら一五〜二五人ぐらい、五〇人程度なら一〇〜二〇人程度で十分です。
最終段階の準備会で、最終的に旗あげ直前にはたらきかける相手をきめ、だれが話をするかの分断をきめる以外は、さいごのさいごまで極秘をおしとおすことです。
1、朝の準備
前日のさいごの準備会で十分相談して、準備会メンバー各自の当日の分担を明確にし、加入申込書と規約と、準備会で独自に用意した「よびかけ文」を各自の枚数に分けて、当日の朝、それをもって、いつものようになに気なく出勤します。
2、加入のいっせいよびかけ
昼食時間、はやめに昼食をとり、きめたとおり一二時一〇分からいっせいに行動開始。会社のえらい人がいようがいまいが、みんなに公然と組合加入をよびかけます。こういうときは、こそこそやっていてはだめで、みんなの加入の決意もにぶるとことになります。ふだん、みんなから信頼されている人がよびかけていれば、ほとんど全員が加入してくれるものです。それで、どんどん加入申込書に記入してもらうのです。
3、外から上部団体役員が
一二時二〇分ごろ、これも前日の決定時刻に、そとから上部団体の幹部が会社の門に到着します。準備会の責任者(分会長)がまちかまえていて、会社の責任者がいる場所へ直行します。会社の責任者に自己紹介のあと、あらかじめ用意された「組合(分会)公然化の通告書」を手わたし、組合方針もふくめ上部団体幹部から説明します。
4、執行部は交渉参加
職場のなかまたちに加入申込書へ記入してもらい、自分の分担をおわった執行部のメンバーは記入ずみの加入申込書をもって、会社と組合代表が交渉している場所にかけつけてきて参加してもらいます。
執行部はあらかじめ準備会で決定し、当日の「公然化通告書」に分会役員名を明記するので、紹介かたがた交渉に参加するのです。もっとも加入申込書の作業がうまくはかどらないなかまがいたら、交渉参加をあとまわしにしてもなん人かで手つだう必要があります。
5、交渉の主眼は団体交渉の確約
このさいしょの交渉は、会社とはじめての顔あわせなので、要求項目は第二回交渉にまわし、第二回団体交渉の日時・場所の確約をとりつけることと不当労働行為の説明におくのがふつうです。
もちろん、切迫した事情があるときはべつです。
6、第一回交渉内容
主眼は次回交渉の確約ですが、初対面のこの交渉で、組合の基本方針、すなわち会社が組合づくりにたいして弾圧やきりくずしでのぞんできた場合はやむなくとことんまで自衛上「喧嘩」となるが、会社が紳士的に交渉に応じるかぎり、組合もあくまで紳士的に道理をつくす組合活動をおこなうことを約束し、ようは会社の出方いかんであることを理解させます。
また、当座の労資関係のすべてについて、支部担当者が分会長と連絡をとること、ただし組合側は上部団体をふくめて一人だけではけっして話しあわないことになっていること、を理解させます。
もう一つ、労働組合法第七条の「不当労働行為」を説明し、どんな小さな不法行為であっても、対抗上、自衛上、組合は「実力」による反撃にでることを理解させます。
だいじな点は、つぎの団体交渉まで組合にかんするいっさいの行動は分会役員にたいする質問や連絡以外はけっして個個の組合員などに接触してはならないことを理解させることです。
7、第一回交渉の所要時間
この交渉のおよその時間は、このときの会社の態度しだいできまりますが、だいたいは「不意打ち」なので、会社はびっくりしたまま受け身になり、聞き役にまわるのがふつうですから、最低三〇分からながくても一時間程度でおわります。
それで交渉のさいごに、当日の終業時刻から全員による分会大会の開催を通告し、大会の会場として会社の食堂なり会議室をつかうことを通告します。それは許可をもとめるのではなく、「通告」するのです。
組合は基本として、会社と対等の資格をもつ団体として、会社の許可や承認で動くのではなく、必要最小限の判断として、やるべき行動は会社が反対しても断固やることです。
8、第一回大会(公然化大会)
終業時間から全員にあつまってもらい、公然化直後の第一回大会を開催し、準備会であらかじめ詳細に用意された段どりで、司会者が一言あいさつして、大会の議長と書記(議事録作成)を選出し、議長の議事進行により、準備会代表(分会長)があいさつと経過報告をおこない、ついで上部団体役員が労働組合の話と当面の心得をわかりやすく話し、議題にはいって、まず準備会代表から要求項目と当面の要求事項の提案、組合費額の提案、そして分会役員の選出となります。
議長は、議題ごとに質問や意見をとり、一つ、一つの挙手の採決で決定してもらいます。
なお、役員選出ですが、準備会で十分相談して執行部と会計監査を推せんするようにして、さいしょの大会ですから全員にはかったうえで、全員の拍手で決定するやり方をほとんどの場合採用しています。
この公然化大会でいちばん重要なのは、全組合員の当面のこころがまえの問題です。この点は上部団体幹部もふくめて、不当労働行為とのたたかいの問題として、みんなに武装してもらうことです。
公然化の仕方には、状態に応じて公然化前日に結成大会をひらくなど、おおくの方法があります。それらはオルグや上級機関の判断にもとづくのが最善でしょう。